インターネット上で購入できるコンテンツについて、日本経済新聞社が20~60代の男女1千人に尋ねた結果が発表されました。電子書籍(雑誌を含む)については、以下のとおりです。
よく買う 1.2%
たまに買う 3.6%
買ったことがある 5.2%
今後買いたい 16.5%
今後も買わない 73.5%
電子書籍以外のゲーム、音楽、動画を含めて、買わない理由は、次のようになっています。
ほしいコンテンツがない 46.7%
ネット上で決済するのが怖い 16.6%
コンテンツの買い方がわからない 16.4%
電子書籍の普及はこれからで、本格的な普及までは10年以上かかると思います。買わない理由の「ほしいコンテンツがない」は、新刊と一緒に電子書籍を販売することも増えており、今後解消していきます。
「コンテンツの買い方がわからない」という人も、身近な人から聞くなどして、徐々に覚えていくことが期待できます。電子書籍の方が安く、すぐに入手でき、保管場所も不要というメリットから、まわりの人も電子書籍を薦めていきます。
問題は、「ネット上で決済するのが怖い」という人です。セキュリティ事件が頻繁に報道され、必要以上にネット上の決済を怖がっている人がいることをうかがわせます。
電子書籍がキャズムを超えるのは、数年後になります。現在のところ、紙の書籍との相乗効果をねらえるアマゾンが、他社を大きく引き離している状態だと思います。
キャズムとは、新製品の発売時に、アーリーアダプターという先んじて新技術を採用する層とアーリーマジョリティという新技術の効果を確認してから購入する層のあいだに横たわる谷間のことです。
キャズムを超えるためには、マーケットエリアを絞り、そのマーケットエリアで一番となって、口コミで評判を確立することが最も有効な戦略です。
商業出版をしていない個人にとっては、電子書籍のkindleという絞られたマーケットエリアにおいて、得意な分野でトップブランドを確立できる、めったにない大きなチャンスとなっていることは間違いありません。