自動運転車について、『自動運転車は実用化するか』で書いていますが、実現は意外と早いかもしれません。その自動運転車と広告が結びつくという話がありました。
Gigazineの『コンピューターが自動車を運転する世界で人間が考えるべき問題とは?』の記事では、自動運転車が乗員のそれまでの行動やソーシャルメディアでの発言をもとに趣味・嗜好を判断し、近くの店に寄ることを提案するという例がでています。
このときにすすめる店が、広告を出している店から選ばれるということです。タクシーの運転手やホテルのコンシェルジュが、レストランなどから客を誘導した見返りに、報酬を受け取ることに近い行為です。
アフィリエイトも同様ですが、アフィリエイトの場合には、アフィリエイトだとわかる場合が多いですから、少し違うかもしれません。
以前、食べログでサクラが問題になったことがありました。なかには報酬をもらっていた人もいるかもしれません。食べログのサクラは、ステマとして嫌われました。
Googleで検索したときにも、検索したキーワードを元に広告が表示されます。検索結果の右側と、背景の色を変えて一覧の最上部に表示されています。一応、広告と表示されていますが、間違える人もいそうです。
自動運転車がすすめる店が、広告料をもらっている店なのか、アルゴリズムにより選ばれた店なのか、乗員にわからないとすると微妙な問題です。自動運転車が乗員に広告である旨を伝えれば、抵抗が少ないかもしれません。
「近くに広告を出しているレストランがあります。お昼時だし、寄っていきませんか?」
「お昼は訪問先の人と一緒に食べるつもりだから、寄らずにまっすぐ行ってくれ」
自動運転車とこんな会話をするならば、広告のレストランを無理矢理すすめられたという抵抗感は、あまり感じないかもしれません。
広告をどこまで信頼するかは、宣伝する人や宣伝媒体をどこまで信頼するかということです。人にすすめられたレストランは、その人がそれまでにどのような店をすすめたかで判断されます。食べログであれば、多少のサクラはいるだろうと考えます。
私は、仮にステマであったとしても、良いものをきちんと宣伝しているのであれば、相手が広告料をもらい、それを伝えなかったとしても気になりません。
問題は、広告にウソや誇張がある場合や、本人が使ってもいないものを使って良かったと宣伝する行為です。これは人の信頼を失うことになる行為です。
あまりおいしくない店をおいしいとすすめる人は、自分とは味覚の違う人なのだと判断します。その人のすすめる店に行こうとは思いません。
このあたりは、人によって感じ方が違いますから、自動運転車の場合でもチューニングが必要です。自動運転車は、ダイエット中の人をドーナツ店に連れて行ったりすることのないぐらいには、賢くなければなりません。