欠陥億ション発生の原因

高層マンション

 東京・港区青山の一等地に建設中のマンションが、不具合が発覚して販売中止になったというニュースが流れています。不具合の内容は、「スリーブ」といわれる水道管などを設置するための「孔」が開いていなかったというものです。

 私は、このニュースを初めて聞いたとき、マンションの「孔」ように建設中に何人もの人が目にするところで、このような不具合に気づかないことがあるのだと、人間のミスを防ぐことの難しさを感じました。

 私の専門とするシステム開発では、途中で何人ものチェックを経たとしても、最終工程のテストまで、基本的な不具合に気がつかなかった話を聞くことがあります。似たようなことが、マンションの「孔」のような目に見えるものでも起きるのだと思ったものです。

 ところが、その後のニュースによると「孔」がないことには、途中で気づいていたようです。修正するように言ったまま、うやむやになったようです。

 推測するに、ピラミッド構造の建築体制のなかで、どこかで気づいたのでしょう。そこで下部組織に対して修正するように指示をだしたまま、修正した結果を確認していなかったのだと思います。

 指示を受けた下部組織では、さらに下部組織に指示を出し、結果を確認しなかったのでしょう。そんな段階が何段階あったかわかりませんが、修正するには費用もかかり、工期にも影響があるかもしれないという状況のなかで、先送りにされ、忘れ去られたのかもしれません。

 しかし、現場で作業をしている人のなかには、気づいていた人がいるはずです。今回の事件がインターネットの書き込みから発覚したことが、それを示しています。

 気づいていた人でも、自分の会社の担当範囲だけをやれば良いと考え、黙っていた人もいると思います。上部組織に伝えても、自分の組織の負担で修正を押しつけられると考えたかもしれません。上部組織の人がまったく聞く耳をもたない人だったのかもしれません。

 このあたりは外部の人間は推測するしかありませんが、上部組織に伝えることなく、インターネットに書き込みをした人がいたということです。

 このあたりの心理には、ミルグラム実験と同様のものを感じます。ミルグラム実験とは、俗称としてアイヒマン実験とも呼ばれ、権威者の指示のもとでは人を殺すこともいとわない人間の心理を実験したものです。

 ミルグラム実験では、権威者の指示があれば、人が死ぬかもしれない行為を多くの人が行ってしまうことが示されました。

 このマンション工事では、自分の担当範囲の作業は実施しても、マンションに人が住めない欠陥をだれも報告できなかったのです。ただ、インターネットに書き込んだ人がいるだけでした。

 このようなことになった詳細の原因が公表されることは、ないかもしれません。しかし、このようなことが起こりうるということを他山の石としたいと思います。

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