日経ビジネスオンラインに『定年退職後テレビ漬けになった父に、もういちど夢を!』という記事がありました。
大学生の娘が、父親が定年退職後テレビ漬けになっていることに気づきます。「まさかこのまま何もせず、誰とも会わず、テレビを楽しみにずっと生きていくつもりなのだろうか…」
娘は、父親の定年ライフを充実させようと行動します。父親の趣味が何かさえわからなかった娘は、父親をドライブに誘い出し、趣味を聞き出そうとします。若い頃絵を描いていたことを聞き、趣味として復活させようとしますが、失敗に終わります。
この記事にも、『40代・50代・60代男性の趣味・創作分野における参加率』の一覧が出ています。ちなみに60代男性ですと、1位「パソコン(ゲーム、趣味、通信など)」、2位「園芸、庭いじり」、3位「写真の制作」となり、30位まであります。
一般に、定年後を充実させるために、趣味を勧めることが多いようです。室内で行うもの、室外で行うもの、一人で行うもの、グループで行うもの、これらの組み合わせでできるマトリックスの各象限で、各々5つ以上の趣味を持てという話を聞いたことがあります。
しかし、趣味だけではダメです。趣味は飽きます。働いていたときには、やりたくて仕方のなかった趣味が、定年後自由に使える時間が増え、思う存分できるようになったとたん、飽きてしまったという話を聞きます。
幸いなことに、近年の心理学では、人間がどういうときに幸福感を感じるかがわかっています。仲間と一緒に、目標に向かって進んでいるときです。目標を達成するために、協力し合い、自分で考え、工夫し、行動している時です。
すると目標として何を定めるかという問題になります。これも答えが見つかっています。あなたが好きで、得意で、意義を感じることで、人の役に立つこと、人によろこんでもらえることです。
好きなことでないと長続きしません。得意なことでないと人の役に立ったり、喜んでもらったりできるレベルになりません。意義を感じないことでは、やる気が起きません。
定年後にテレビ漬けにならないためにやっておくことは、あなたが好きで、得意で、意義を感じることで、人の役に立つこと、人によろこんでもらえることを見つけておくことです。