世の中には、
シンプルさを解さない人もいます。
そういう人はこういいます。
「簡単すぎる」
「単純すぎる」
シンプルであることが、
欠点だといいます。
そして、複雑なものを好みます。
プレゼンテーションであれば、
1枚のシートにたくさんの図を描き込み、
さらに小さい字で説明を加えます。
少し離れると誰にも見えません。
そんなプレゼン用資料を作って満足します。
複雑な資料を好む人は、
複雑であれば賢く見えると思っているのかもしれません。
複雑なものは、多くのことを知らないと作れません。
もの作りであれば、
たくさんの機能を盛り込もうとします。
そのような人がチームにいると大変です。
説得して納得すればいいですが、
得てして頑固で人の話を聞こうとしない人が多いように思います。
シンプルさを追い求めたときに陥りがちな失敗は、
必要なものまで落としてしまうことです。
シンプルなものに対する批判は、
「必要なものが含まれていない」であれば、
聞く価値があります。
「簡単すぎる」や「単純すぎる」という批判は、
シンプルさの良さを理解していないだけです。
人には、シンプルさを好む人と複雑さを好む人とがいるようです。
それぞれ、美しいと感じるものが、
異なるように思えます。
シンプルさを好む人は、
シンプルさに美しさを感じます。
複雑さを好む人は、
例えば、日光の陽明門を美しいといいます。
陽明門はどう見てもシンプルではありません。
500を超える数の彫刻が複雑に組み合わさっています。
人は皆、シンプルさを好むということはなく、
複雑さを好む人も存在しています。
そして、シンプルさを好むか複雑さを好むかは
美意識の違いのように思えます。
そう考えると、
論理的に説得することができないことも、
納得がいきます。