顔認証システムが急速に進化しています。
2013年5月下旬の「NHKクローズアップ現代」で特集が組まれたときには、テーマパークの入場ゲートで顔認証技術が採用されたという話でした。
また、被災地では遺失物となってしまった写真の持ち主を探すのに使われているという話もありました。
この1年の間に、防犯カメラの映像をもとに犯人が逮捕されるという例も増えてきました。
大阪駅で通行人の動線を顔認証システムにより分析しようという独立行政法人「情報通信研究機構」の試みが、市民からの抗議を受けて中止になったこともありました。
万引き犯の顔データを他店との共有データベースに登録するというシステムも販売されました。これについては、以前『万引き犯顔データ共有システムはどうなるか?』という記事を書きました。
最近では、Facebookでも顔写真に対し名前を指定して「タグ付しますか?」と聞いてくるようになりました。また、パソコンのログイン認証にも使われ始めました。
このように急速に発展している顔認証システムですが、まだまだ応用範囲は広がります。そこで、顔認証システムでできそうなことを考えてみます。
犯人追跡システム
事件が起こったときに犯人の足取りを追跡するシステムです。事件現場と犯人が立ち寄りそうな所の防犯カメラの映像を分析し、犯人の足取りを割り出します。
最近の報道を見ていると、このシステムは既に存在していると思います。
指名手配者捜索システム
全国の防犯カメラのデータから、指名手配となっている容疑者を捜すシステムです。
ターミナル駅などで、指名手配者がいないかどうか人手で監視していると聞いたことがあります。実現すれば、大幅な人手の削減が可能です。
課題は処理速度だけですから、もうすでに実施されているかもしれません。
政敵監視システム
野党や反体制的言動を取る人の行動を監視するシステムです。誰と誰がいつどこで会っていたかなどがわかるだけでも、重要な情報です。
与党内でも派閥争いで使われそうです。
防犯カメラのデータとしては既にある情報です。しかし、誰と誰がいつどこで会っていたという情報としてまとめることは公にはできないことです。
特定秘密保護法は、政府がこのようなことを始めてもチェックできないようにしてしまいました。
浮気発見システム
配偶者の素行が怪しい時、その行動を追跡するシステムです。防犯カメラにデータはありますが、それを個人が使うことはできません。
素行調査などを仕事としている人も利用できません。利用できるのは警察だけです。
このシステムは実現性がないと言っていいと思います。
まとめ
すでに日本は、ジョージ・オーウェルの『1984年』の世界のようです。膨大な量の防犯カメラの映像が撮られています。これからも撮られ続けます。
そのデータを使えるのは警察だけです。しかし、警察がどのような使い方をしているかは、決して公開されることはありません。
現在の日本はすでにそのような監視社会となっています。