不動産投資に興味はあるけれど、一歩を踏み出せない人のための本です。『不動産投資は地方に一棟買うことからはじめなさい!!』には、リスクの小さい不動産投資の方法が書かれています。ここでは、そのエッセンスを紹介します。
物件を探す
まず、良い物件を見つけることが一番大切なことです。表面利回りの良い物件を探すことです。表面利回りは次の式で計算できます。
表面利回り=年間の家賃収入÷売買価格
最低でも8%が必要だそうです。
すると都心では、ほとんど見つかりません。新築は価格が割高なので、利回りが低くなります。
マンションの区分所有は、空室リスクが高くなり、大規模修繕のタイミングを自分で決められません。
本書では触れられていませんが、一棟買いには土地がついています。建物は年月とともに価値が下がりますが、土地は値上がりする場合もあります。
すると不動産投資で買うべき物件は、地方の中古マンションかアパートの一棟買いということになります。
その他、需要が安定している地域かどうか、学校やスーパー、コンビニなど周りの状況、駅からの距離、交通の便、駐車場の有無、地震や津波の発生確率等、自分が住みたいと思う環境かどうかの見極めが大切です。
問題は、良い物件が売りに出ていることをどのように見つけるかになります。
本書では、まず自分の相場観を養うことを勧めています。そのためには、インターネットで物件検索をして見て回ることです。
インターネットで良い物件が見つかることはありません。良い物件はインターネットに掲載される前に売れてしまうからです。
そこで、不動産会社に紹介をお願いします。そこで物件の良し悪しを判断できる知識と経験を得たならば、不動産コンサルタントに紹介を依頼します。信頼できるコンサルタントかどうかは、その人のセミナーに出席したり、面談を行ったりして判断します。
コンサルタント自身が、どのように資産形成をしたのかを聞くことも良い方法です。
融資の審査を通す
次に重要なのは資金の調達です。銀行から借りることになりますが、本書では物件探しと同時に銀行を探すことを勧めています。不動産会社から銀行にアプローチする手もあるそうです。
融資に当たっては、自己資金とローン期間が大切です。築年数の古い物件は、ローン期間が短くなるので注意が必要です。
次の式で計算できる返済比率を50%以下にできるようにローンを組むと安全です。
返済比率=返済金額÷家賃収入
物件の管理
本書では、物件の管理は管理会社に依頼することを勧めています。良い管理会社を見つけることが大切になります。客付けの方法、入居者の審査、滞納時の対応などを聞いて決めると良いそうです。
おわりに
以前このブログで『いますぐ妻を社長にしなさい』という本を紹介しています。
目から鱗のサラリーマン資産形成法|『いますぐ妻を社長にしなさい』
資産形成のために、妻を社長にして大家業の会社を作るという内容ですが、そこでは大家業のやり方にほとんど触れていません。
『不動産投資は地方に一棟買うことからはじめなさい!!』では、大家業の始め方をていねいに説明しています。こちらは始め共働きだったという違いはありますが、大筋は同じです。
不動産投資は、掘り出し物の良い物件を紹介してもらい、それが良い物件だと即座に判断できる知識と度胸を持ち、すばやく資金調達の目途をつけられることが大切なことです。
そのための基本が書かれています。不動産投資に興味のある方にお勧めの本です。