会社の業績が悪くなり余裕がなくなってくると、給与も下がり、福利厚生面での費用削減なども始まります。利用する機会の少ない福利厚生サービスであれば、影響は少ないかもしれませんが、従業員のふところに直接響く給与が減らされるとモチベーションにも影響が出ます。
また、目先の仕事に追い回され、仕事の基礎の学習をおろそかにする人がいます。逆に学習ばかりをして、価値のある成果物を何も出さない人がいます。どちらも望ましい姿ではありません。仕事の成果と仕事の元となる学習のバランスが大切です。
昔は、上司の指示に従い、言われることを忠実に実行するだけで、必要な知識や技術を身につけ、会社の中でそれなりの地位につくことができたかもしれません。とにかく言われたことを黙って12年やれという人もいます。
会社の中の論理だけで長期間仕事をすることは危険です。会社の外では通じない論理かもしれません。上司の指示に従うことに慣れると、指示を疑うこともなくなります。法に触れる指示であっても、指示に従う以外の行動がとれなくなります。オリンパスの事件などはその例です。
指示されたことを実行するだけでなく、関連する事柄や更に広く周辺の事も知らなければなりません。常に視線を世界に向けて、世界標準の考え方を身につけなくては、世の中に取り残されます。どんな会社でも、いつ突然破綻するかわかりません。会社に人生を預けるなどという考えは時代遅れです。
逆に、学習ばかりをして、何も世の中の役に立つものを生み出さないことも問題です。インプットばかりで、アウトプットが何もないわけです。いつまでも親のすねをかじりながら学校に行き続けるようなものです。何もアウトプットがないのでは、意味がありません。
会社の業績と従業員満足度の関係も同じです。いくら顧客満足度をあげようとしても、顧客に向き合う従業員が不満を持っていては、顧客満足度は上がりません。従業員の尻を叩くだけ叩いて、業績をあげようとしても、従業員の満足度をあげない限り、思うような成果は期待できません。逆に、従業員満足度だけを追い求めて、会社が倒産しては意味がありません。
会社の業績と従業員満足度の関係は、仕事の成果と仕事の基礎の学習の関係と同じです。バランスが大事です。どちらか一方だけを追い求めていては、そのうちに成果が上がらなくなります。