ECサイトは、Amazonの一人勝ちと言ってもよい状況になっています。そんななかで、Amazonに負けずに生き残っていく方法はあるのでしょうか?
『アマゾンにも負けない、本当に強い会社が続けていること。』は、そのためのヒントを与えてくれます。ここでは、そのエッセンスを紹介します。
差別化
マーケティングの基本は差別化です。数ある競合他社の中から、お客様に自社が選ばれる理由がなければなりません。
差別化といっても、他社と違うだけでは意味がありません。他社と比べて優位でなければなりません。
『アマゾンにも負けない、本当に強い会社が続けていること。』では、「エンジェル宅配」というECサイトを紹介しています。
「エンジェル宅配」は、もともと引出物販売のネットショップでした。主力商品の仕入先のメーカーが、自社サイトでの直販を始めたことを契機に、引出物の宅配サービスに舵をきりました。
新郎新婦の自宅か式場に配送していた引出物を、ゲストの自宅に直接配送します。新郎新婦は式場に持込料を払わずにすみます。ゲストは重くかさばる引出物を持たずに帰れます。二次会に参加する場合など特に楽になります。
特別ていねいにきれいに梱包するため、手間はかかりますが、値引きをする必要もなくなりました。
さらに、実家の農家で作ったお米やお気に入りのお菓子など、特別な持ち込み品を同梱するサービスも行っています。
お客様と接しないとわからないことがある
「エンジェル宅配」で始めた引出物のゲスト宅への配送や特別な持ち込み品の同梱は、お客様からの要望から気づいたことです。
実際に引出物を扱っていない人では、なかなか気づきません。
頭のなかで考えているだけで、引出物のゲスト宅への配送や持ち込み品の同梱にニーズがあることに気づく人はいません。
自分がその仕事をやっているからこそ気づけるお客様のニーズがあります。
問題解決
お客様のニーズとは、お客様の問題解決です。
お客様が困っていること、不満に思っていること、不便に感じていることなどを解決することです。
お客様が欲しいと言っているものとは違います。
よく言われることですが、駅馬車のお客様はもっと早い馬が欲しいとは言っても、自動車が欲しいとは言いません。お客様のニーズは移動手段にあります。
ドリルを買うお客様のニーズはドリルが開ける穴であり、ドリルが必要なのではありません。
参入障壁
差別化を図り優位な立場になっても、他社が簡単にマネができることでは、すぐに追いつかれます。
他社が簡単にはマネができない参入障壁が必要です。
参入障壁の例には、多額の初期投資などがありますが、弱小会社向きではありません。
ニーズはあっても大手の会社にとって収益性が低すぎるという市場は、小規模な会社がねらうべき市場です。「社会貢献」と言われるような市場です。
社会的ニーズはあるけれど、収益性が低く、ビジネスとすることは難しい。そんな市場をねらうことにより、社会の後押しも期待できます。
まとめ
Amazonのような大手企業に勝つ方法は差別化です。お客様と接することで、真のニーズもつかめます。お客様の問題を解決することがニーズです。
差別化しても、参入障壁がなければすぐにマネをされます。ニーズがあっても収益性が低い市場は、大手企業が参入しない市場です。
「社会貢献」と言われるような市場ですが、参入することにより社会の後押しも期待できます。