日経ビジネスオンラインに『詐欺サイトで買い物をするとどうなるか?』という記事がありました。
あえて怪しいサイトで買い物をして、実験をしたそうです。大手インターネットモールの「なりすましサイト」で買い物をしています。
記事の中から怪しいとわかる部分を抽出してみます。
店舗名
店舗名が有名ブランドの「日本総代理店」とか、「株式会社大人気自転車××」など、ありえない名前になっています。
メールアドレスがフリーメール
窓口のメールアドレスがフリーメールです。独自ドメインを持っているECサイトですから、そのドメインのメールアドレスを持っていることが普通です。
電話番号がない
電話番号の記載がありません。
大手のサイトにそっくり
記事の中で試したサイトは、大手モールに出店する家電販売サイトにそっくりだったそうです。
これだけで怪しいとわかります。
さらに、ポイントサービスはないのに、「ポイント10倍キャンペーン」のロゴまでそのまま使っていました。
実勢価格の3割安
ほとんどの商品が市場価格より30~70%安かったそうです。
これも怪しいです。特定の商品だけを特別に安くすることはあるかもしれません。しかし、ほとんどの商品を市場価格より30~70%安く、定常的に売れるはずがありません。
会員登録
商品をカートに入れて決済しようとしたら、会員登録画面になったそうです。よく設計されたサイトであるならば、決済までの手続きは最小限にするはずです。
決済の前に会員登録画面になるということは、商品を売ることよりも、会員登録で入力する情報を欲しいということです。
送付先がクレジットカードの登録先と同じ
送付先の項目に、「クレジットカードに登録している住所と同じ住所を入力してください」と注意書きがあったそうです。
送付先をクレジットカードに登録している住所に限るのはおかしな話です。
このサイトではクレジットカードが使えなかったと書いてあります。それにもかかわらず、クレジットカードに登録している住所を要求しています。そもそも、クレジットカードの使用には、住所は必要ありません。
リンク先誤り
「よくある質問」をクリックすると会員登録画面になったそうです。「よくある質問」を作らなかったため、会員登録画面につなげたと考えられます。
決済手段は銀行振り込みのみ
決済手段を選ぶ画面では、銀行振り込みしか選べなかったそうです。トップページには、クレジットカードのロゴがあるにもかかわらずです。
メールアドレスを入力させる
銀行振り込みを指定すると、後ほど口座番号を電子メールで知らせるとなったそうです。
メールアドレスも入力させられたのです。買い物にメールアドレスは必要ありません。利用者の情報をできる限り入手しようとしていることをうかがわせます。
口座の名義
振り込み先の口座の名義もおかしかったそうです。店舗名でも運営管理者でもないと書いています。
荷物追跡番号
入金しても出荷の連絡がないので、メールを送ったそうです。すると、通関に時間がかかっているという言い訳とともに荷物追跡番号が送られてきました。
その荷物追跡番号で検索すると、質問サイトの詐欺に引っかかった人の質問が見つかりました。すべての詐欺で同じ荷物追跡番号を流用しています。
運営店舗の住所
運営店舗の住所にも行ってみたそうです。店舗所在地は一軒家が並ぶ住宅地の空き地でした。Google Mapで見ても空き地であることを確認できたかもしれません。
ウェブサイト
ウェブサイトは1ヵ月ほどで消えたそうです。もちろん商品は届いていません。
おわりに
日経ビジネスオンラインの記事では、だまされた後のことは書かれていません。銀行に連絡して、口座の凍結を頼み、引き出されていなければ、お金を取り戻せる可能性があります。
記事の中で試したサイトは、怪しさ満載のサイトです。こんなサイトにだまされる人はいないと思わせる内容です。
大手サイトをパクリ、あらいつくりのサイトです。詐欺が発覚し銀行口座を凍結されたら、サイトを閉じて別のサイトを開設しているのかもしれません。
記事にはこのサイトをどのように見つけたかは書かれていません。大手ショッピングモールの名前で検索しても、上位に表示されるとは思えません。
趣味性の高い特殊な商品で検索すると、上位に表示される場合があるのかもしれません。
まともなECサイトと詐欺サイトを完全に見分ける方法はありません。朴訥な作りのサイトでも、まともなサイトはあると思います。
知らないサイトで商品を買うときは、少なくとも電話番号の記載があることを確認することです。特定商取引法で電話番号の記載は義務づけられています。電話番号のないサイトはそれだけで信頼できません。
お店に電話をして、お店のこと、商品の仕入れ、安い理由などを聞いて、納得のいく説明であれば買ってもいいと思います。