ポケモンGOの流行が、ITや社会に大きな影響を与える可能性があると言われ始めました。
記者の眼 – ポケモンGOが決定的に変えた5つのITトレンド:ITpro
実際にどの程度の影響があるか考察してみます。
AR(Augmented Reality:拡張現実)
ポケモンGOはARについて2種類の使い方をしています。
ひとつは、ポケモンを捕まえる時の背景として、現実の映像を使う使い方です。現実世界の画像に建物の名称などをテキストとして付加していたセカイカメラに似ていますが、現実の画像とポケモンの画像には関連がなく、セカイカメラよりも単純な使い方です。
もうひとつは、GPSの位置情報を元に地形やモニュメントを表示させる使い方です。現実世界をポケモンGOを遊ぶための場とすることにより、プレーヤーを家の中から外へ引っ張り出しました。
現実のモニュメントをポケストップやジムとすることでも、ポケモンGOの世界と現実世界を結びつけています。
この使い方は地図アプリやカーナビアプリと同じです。
モニュメントの情報はIngressから引き継いでいますが、位置情報をもとに現実世界とコンピュータの情報を結びつける機能は、セカイカメラでも使っています。
ポケモンGOは、ARをゲームに使ったという面では新しいですが、それ以上に現実世界をゲームを遊ぶ場とした意味が面白いと思います。
ポケモンGOにより、ARの新しい応用が開発されたと考えるのは早計です。
ポケモンGO専用機
ポケモンGOの専用機として発売予定だった「Pokemon GO Plus」の発売が遅れています。発表されている画像や機能によると、画面はなく、腕につけるものです。
ポケモンを見つけると振動と光で知らせ、ボタンを押すとポケモンを捕まえるというものです。歩きスマホを減らす効果はありますが、この機能ではわざわざ専用機を購入する意味があるとは思えません。
発売延期は、機能を見直しているのではないかと思います。
ウェアラブルデバイス
ポケモンGOは、「Pokemon GO Plus」よりApple Watchのような画面を持った腕時計型のウェアラブルデバイスで動いたほうが面白いと思います。
ポケモンを見つけると振動と光で知らせることにより、スマホは鞄の中に入れたままで、ポケモンGOを遊べるようにできます。
画面を持った腕時計型のウェアラブルデバイスであれば、画面をフリックしてポケモンを捕まえたり、ポケストップでアイテムを入手することが、スマホと同じようにできます。
マーケティング
日本ではマクドナルドがジムとなることで、人が集まっています。ただし、店の外でポケモンGOを遊んだり、長時間店に居座る人が増え、食事をする席を見つけられない人が出るなど、売り上げに結びついているか疑問のようです。
今のポケモンGOの機能では、マーケティングに役立てることは難しいと思います。
マーケティングに役立てるには、商品を買ってくれた人にレアなポケモンが手に入るアイテムをおまけにつけることなどが必要です。
このあたりは、今後あたらしいアイデアが出てくると思います。
くれぐれもコンプガチャのような、射幸心をあおることにより、売り上げを上げることのないことを願っています。
まとめ
ポケモンGOは、ARを使い現実世界を遊びの場とすることにより、プレーヤーを家の外に引き出したところが面白いところです。
既存の技術を組み合わせたもので、画期的な新技術が使われているわけではありません。
マーケティングツールとしての使い方は、これからアイデアがいろいろと出てくると思います。