インターネットを利用した選挙運動がいよいよ解禁されそうです。現在、得られている情報から効果的なネット選挙運動について考えてみました。
1.ネット選挙運動解禁でできること
まず、何ができるようになるかを整理します。
(1)ウェブサイト(ブログ、動画サイト、SNSを含む)
SNSがウェブサイトとして分類されているため、FacebookメッセージやTwitterのダイレクトメッセージを送ることができそうです。
(2)メール
候補者と政党だけが送信できます。ただし、送信先は選挙についてのメール送信を求めた人と、政党のメールマガジンなどの受信者のうち、選挙運動用メールを「いらない」と発信元に伝えなかった人に限定されます。
(3)広告
政党が有料インターネット広告から選挙運動用サイトに直接リンクすることができます。
2.効果的なネット選挙運動
あなたが候補者だとしたら、これらのことができるようになったとき、どのようにネット選挙運動を行いますか?
ネットを使って、自分および自分の政策等をどれだけ有権者に知ってもらうかが、課題となります。その観点から考えると、Facebookが最も強力な選挙運動のツールになります。効果的なネット選挙運動の方法をまとめます。
(1)Facebookの友達およびフォロワーに支援者を可能な限り増やす
Facebookの友達は5000人まで増やせます。支援者をどれだけ友達にできるかです。5000人を超えた場合は、フォロワーになります。
(2)支援者である友達に選挙運動の投稿をシェアしてもらう
支援者である友達に選挙運動の投稿をシェアしてもらうことにより、友達の友達まで、選挙運動の投稿が届きます。
(3)Facebookページの広告を使う
Facebookページを作り、選挙運動の投稿をFacebookページ広告を使って宣伝します。費用はかかりますが、対象者を属性により絞り込め、ニュースフィードのトップに表示してもらうことができます。
(4)Facebookメッセージを使う
Facebookメッセージを有権者に送れます。ただし、スパムメッセージ扱いされる恐れもありますので、内容と送り先は十分に検討しなければなりません。スパムメッセージだと思われると評判を落とすことになりかねません。
(5)Facebookグループを使う
支援者のFacebookグループを作り、選挙運動に関する連絡はそこで行います。連絡が届くとFacebookの左側メッセージに表示されます。
(6)広告
有料インターネット広告をアクセスの多いサイトに貼らせてもらうことは、選挙ポスターと同じぐらいの効果はあるかもしれません。
3.その他のネット選挙運動
上にあげた以外の方法は、自分の政策等を支援者や興味を持ってくれた人に知らせる効果はありますが、それ以上の効果は見込めません。
(1)ウェブサイト
支援者か興味を持った人しか見に来ないと考えるべきです。
(2)メール
メールマガジンを送れるのは、送ることに同意した人だけですから、基本的に支援者だけになります。
(3)Twitter
フォローしてくれるのは、支援者か興味を持っただけ人です。ダイレクトメッセージを送れるのは、相互フォローしている人だけです。匿名の人が多いため、「@」をつけてメッセージを送ることは、効果的とはいえず、スパム扱いされる危険性の方が高くなります。
支援者がリツートしてバイラルを起こすことは、ありえますが、匿名の人が多いぶんFacebookでの効果にはかないません。
まとめ
ネット選挙運動としては、Facebookの友達とフォロワーに支援者を増やし、バイラルを起こすことが最も効果的です。また、Facebookページの広告も対象者を絞り込め、ニュースフィードの先頭に表示できるため、かなりの効果を期待できます。
【2013年4月21日追記】
改正公職選挙法では、候補者の氏名等を表示した有料のインターネット広告は禁止されました。