インターネットが登場する前、一般の人が意見を表明しようとした場合、手段が非常に限られていました。40年近く前に新左翼の活動家がやっていたガリ版刷りのビラを配り、街頭で演説をするぐらいです。
インターネットでブログが登場して、誰もが無料で自分の意見を世の中に発表できるようになりました。ブログは、Web2.0時代の新しいメディアといわれました。これが、ネットは自由の意味でした。
その前から2ちゃんねるの掲示板が作られ、そこでも「自由」な書き込みが行われました。新しいIT機器の使用レポートなどの有益な書き込みもありましたが、誹謗中傷、罵詈雑言といえる書き込みも多数ありました。
匿名であるから、何を書いても「自由」だと考えた人がいました。匿名では、実名では恥ずかしくて書けないことや、他人の目が怖くて書けないこと平気で書く人が現れました。自分の嫌いなものを汚い言葉でののしり、他人のささいな間違いをあげつらうなどの書き込みがあふれました。
しかし、2ちゃんねるといえども無法地帯ではありませんでした。脅迫で逮捕される人が出ました。法廷では、ネット上では通常のやりとりだと抗弁しましたが、認められずに有罪となった人もいます。
最近、2ちゃんねるの過去ログを読めるサービスから情報が流出したというニュースが流れました。過去の2ちゃんねるの書き込みが公になる危険があります。人によっては夜も眠れない気分かもしれません。
2ちゃんねるのヘビーユーザは、Twitterに移ったようです。2チャンネルもTwitterも完全な匿名ではありません。多くの場合は、発信者を特定することは可能です。
世界には言論の自由がない国もまだまだたくさんあります。現代の日本は、憲法で言論の自由が保障されており、インターネットで言論を発信するツールも豊富に提供されている社会です。
誹謗中傷、罵詈雑言などで資源を無駄遣いすることなく、現代日本の自由な言論の社会を活かしていきたいものです。