インターネットは暮らしをすっかり変えるほど役に立ちますが、詐欺も横行しています。詐欺を防ぐには、その手口を知っておくことが有効です。
『インターネットのシロサギ達~ネットの嘘と危険から貴方の身を守る方法~』(著者 蓮見あつき)を参考にインターネットの詐欺についてまとめました。インターネットが登場する前から存在する詐欺もあります。
情報商材
情報商材とは、情報を商品として売るものです。広い意味では、書籍、セミナーなども入ります。親が子供のために購入したり、学生自身が購入する教育用の教材などもあります。インターネット上では、情報商材として、マニュアル、ノウハウなどが売られています。
情報商材の中には劣悪なものがあります。派手なセールストークで売り込みながら、中身は、全く役に立たない情報であったり、犯罪行為をすすめるものがあります。
情報商材の難しいところは、情報の価値を客観的に判断することができないことです。ある人にとっては有用な情報でも、それを理解できない人、あるいは使えない人にとっては役に立たないものになります。
そのため、情報商材はどんなに劣悪なものであっても、詐欺罪として立件することは難しいといわれています。
だまされないための一つの基準は、書籍の値段です。普通の書籍は千円前後で売られています。世の中のほとんどの情報は書籍から入手できます。
情報商材の価格を通常の書籍と比較し、価格差以上の情報が入手できるかどうかを判断基準として購入を決断すれば、だまされたと感じることは少なくなります。
オークション
インターネット上で行われるオークションは、もののやり取りと、お金のやり取りを同時に行わないことが多いため、詐欺師にねらわれる機会も増えます。
お金を払っても、カタログだけが届いたり、偽物が届いたりする場合があります。郵便事故を装い商品を送らない手口もあります。
逆に商品の発送を急がせ、お金を払わない場合もあります。届いた商品が不良品だといって返金させ、偽物を送り返す手口もあります。
また、芸能人が詐欺の片棒をかついだとして有名になったペニーオークションがあります。
ペニーオークションとは、応札のたびに手数料のかかるオークションです。入札開始価格を安く設定し、一回当たりの手数料を少額にして、安く落札できると錯覚させます。
実際には、応札があるとそれを上回る金額の応札が自動的に行われる仕組みになっていました。何回も応札させて、手数料をだまし取る手口です。
インターネットオークションで詐欺にあわないためには、相手の評価やトラブル口座のチェックが有効です。
投資
FXや株式投資で必ず儲かるという古典的詐欺です。必ず儲かるという時点で詐欺と断言できます。
必ず儲かる方法などないので、必ず儲かると言って勧誘すること自体が違法行為です。
マルチ商法
マルチ商法とはピラミッド型の階層構造で販売組織を拡大していく商法です。他人を参加させることにより収入を得られるシステムとなっています。
新規参入者は加盟料金を支払い、紹介者に金が回っていく仕組みです。
マルチ商法とアフィリエイトが一緒になったとき、新しい詐欺の仕組みができあがります。
アフィリエイトとは、商品をインターネット上で紹介する仕組みです。商品が売れた時などに紹介者にお金が入ります。
マルチ商法の大元が劣悪な情報商材を販売し、それを販売組織のメンバーがアフィリエイトで紹介するという方式がなりたちます。
情報商材が劣悪なものであることを承知の上で紹介し、アフィリエイトの紹介料を受け取っているとすれば、詐欺と言っても過言ではありません。
誇大広告
誇大広告は、景品表示法で規制されていますが、インターネット上の広告まで規制の手が回っていないのが現実です。
インターネット上の広告、特に個人の広告は、そのことを踏まえてみることが必要です。
なりすまし
インターネット上では、直接顔を合わせる機会が少ないため、なりすましが横行しています。Facebookなどのソーシャルメディアでは、若い女性が目を引きますので、多数のなりすましがいます。
芸能人や芸能人のマネージャーを名乗る人物から個人的相談を持ち掛けられることもあります。
なかには、占い師に誘われ多額のお金を使う人もいるようです。
なりすましから誘われ、お金をだまし取られたり、犯罪に巻き込まれる例がありますので注意が必要です。
ワンクリック詐欺
アダルトサイトなどをクリックした相手から、料金をだまし取る手法です。個人情報を入手したように見せかけ、脅しをかけてくる場合があります。
実際に個人情報を知られてしまい少額訴訟を起こされた場合は、すぐに対応する必要がありますが、それ以外は、無視していれば問題ありません。
パソコンに表示される請求などが消せない場合には、パソコンの再インストールになります。
ウィルス
コンピュータウィルスを含め、望まないプログラムを実行させられることです。ウィルスに感染すると、他人にも感染させ、迷惑をかけることになります。
プログラムを実行させられると何をされるかわかりません。個人情報を盗まれる場合もあります。パソコンを踏み台にされ、他のサイトの攻撃をさせられたり、違法な書き込みをさせられたりすることもあります。
FaebookやTwitterなどのソーシャルメディアでは、勝手な投稿をされることがあります。信頼を失うことになりかねません。
セキュリティパッチは常に最新の状態にします。ウィルス対策ソフトを必ず導入し、ウィルスパターンも常に最新にします。
ソーシャルメディアではアプリを実行してはいけません。占いや診断などを装いウィルスまがいの動きをするアプリがたくさんあります。
フィッシング詐欺
本物そっくりのサイトで、IDやパスワードを入力させ、情報を盗みだす方法です。メールで「お客様の情報をご確認ください」などと偽サイトに誘導する手口が一般的です。
メールに記載のURLからは、ログインしない心掛けが必要です。
ファーミング詐欺
ウィルスに感染させ、偽のサイトに誘導し、各種情報を盗み出す方法です。
ウィルスがネットワークの仕組みを変更してしまうことにより起こります。ウィルス対策ソフトは必ず導入し、怪しいファイルはクリックしないなど、ウィルス感染に十分注意することが必要です。
アカウント乗っ取り
ネットオークションのアカウントを乗っ取られると、あなたの名前で詐欺をされてしまいます。
ネットバンキングのアカウントを乗っ取られると、預けてあるお金を失います。
ショッピングサイトのアカウントを乗っ取られると、勝手に買い物をされます。
ソーシャルメディアのアカウントを乗っ取られると、勝手な投稿をされ、信頼を失います。
アカウントの乗っ取りを防ぐためには、パスワードを十分に強力なものにして、ほかのものとの共有はしないことです。
まとめ
詐欺の手口は日々進歩していきます。
ウィルスに感染したり、アカウントを乗っ取られたりすると、あなたも加害者にされてしまいます。
それを避けるためには、過去の手口を知り、詐欺の可能性を疑うだけでなく、常に最新の手口を知っておくことが必要です。