MVNOが格安だからと飛びついて困ること | 定年起業のためのウェブコンサルティング

MVNOが格安だからと飛びついて困ること

SIMカード

iPhone 5sからSIMフリーのiPhoneが日本でも販売され、2015年からはSIMロック解除が義務化されます。さまざまなMVNOが百花繚乱のごとく立ち上がっています。

でも、不思議ではありませんか?なぜ、他社の回線を借りて、その会社よりも安い価格でサービスを提供できるのか?

そこで、MVNOを使う場合にチェックすべきことをまとめました。

MVNOとは

そもそも、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、携帯電話やスマホのための物理的な回線網を自社では持たずに、実際に保有する他の事業者から借りて、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のことです。

現在、MVNOサービス提供会社のほとんどは、ドコモの回線を借用しています。

スマホなどでは、どの通信サービスを使うかという情報はSIMに書き込まれています。SIMを交換すると通信サービスを変更することができます。

3大キャリアが販売するiPhoneでは、SIMの交換ができないようにロックをかけています。総務省は、2015年からその解除を義務化する方針です。

そのため、格安の通信サービスを提供するMVNOが増えています。

それでは、MVNOを使うときにチェックすべきことをみていきましょう。

MNP

電話番号を変えることなく、別のキャリアでも使えるMNP(ナンバーポータビリティ)は、すべてのMVNOで使えるわけではありません。電話番号を変えたくない人は、MNPを受け付けているMVNOサービスを選択する必要があります。

データ通信量

データ通信量無制限をうたっているMVNOサービスもありますが、多くはデータ通信量別に料金を定めています。上限を超えたときは通信速度を128kbpsぐらいに抑えられます。通信は可能ですが、スマホを使うにはかなりつらい速度です。

料金を支払えば、データ通信量を一時的に増やせるMVNOサービスもあります。

また、3日で1GBを超えた場合などに制限を加えるMVNOサービスもあります。

自分のデータ通信量に合わせて、適切な選択が必要です。

音声通話

MVNOでは音声通話はあっても従量制です。データ通信だけのMVNOサービスもあります。

音声通話を頻繁に使う人は、MVNOは避けた方がいいかもしれません。

各種割引

総務省は、携帯電話と自宅で使う固定通信サービスのセット割引をドコモに対して解禁する検討を始めるというニュースがありました。

NTTフレッツ光とドコモのスマホのセット割引き解禁へ!ただし2015年以降

auやソフトバンクには、すでに認められている割引です。これはMVNOにはありません。その他にも、ファミリー割引、無料通話などの割引はありません。家族間の無料通話もありません。

これらの割引が適用されるならば、3大キャリアの方が安くなる場合もあります。

キャリアメール

キャリアメールは使えなくなります。○○○@docomo.ne.jpや○○○@ezweb.ne.jpが使えません。

人によってはこれが大きな問題になります。メールアドレスが変わる以外に次の問題があります。

メールを送る相手がキャリアメールの場合です。キャリアメールには、キャリアメールアドレス以外からのメールを拒否する設定がされている場合があります。その場合、キャリアメールを使っている相手がその設定を変更しなければなりません。

いまだにキャリアメールをメインに使っている人は、ITリテラシーの低い人が多いため、この設定変更は難しいかもしれません。

スマホ等との相性

3G規格では、ドコモとソフトバンクがW-CDMA、auがCDMA2000という規格を採用しています。そのため、お互いに使いまわすことができません。

最近でもau回線を使うmineoがiPhoneをiOS8にすると使えないことがニュースになっています。

人気の格安SIM「mineo」がiPhoneで突然使えなくなった 格安SIMのリスクがあらわに 日経トレンディネット

また、iPhone 5sでは、iOS7のとき、ドコモ回線のMVNOではテザリングができないということもありました。

各MVNOサービスのサイトで、動作確認済みスマホを確認するだけでなく、制限事項はないか、事前にチェックが必要です。

LTEの周波数帯

例えば、ドコモがLTEで使う周波数帯は次のとおりです。

Band1(2.1GHz)
Band3(1.8GHz)東名阪のみ
Band19(800MHz)
Band21(1.5GHz)

2015年からはBand28(700MHz)も使える予定です。

周波数帯にはそれぞれ特徴があります。800Mhzや700MHzの周波数帯は、建物の陰や中にも回り込みます。利用者が多く混雑している周波数帯もあります。

これらの周波数帯を各MVNOサービスがすべてサポートしているのか疑問です。どのMVNOサービスのサイトを見ても明記しているところは見つかりません。

MVNOサービスによっては、一部の周波数帯しか使えないところもあるのではないでしょうか?

まとめ

MVNOというと格安SIMというイメージです。キャリアから回線を借用して、より安く提供するからには理由があるからです。使うときには、制限事項等をよく確認してから契約することをお勧めします。

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