終身雇用が当たり前であった日本でも、中途採用する会社が増えてきました。エンジニアを中途採用するときの判断ポイントはどこにあるでしょうか?
米国企業の例
『優れたエンジニアを採用するために重要なポイントとは? – GIGAZINE』というエントリを見かけました。
米国企業で採用担当だった人が、優れたエンジニアを採用するために重要なポイントを5つにまとめています。
・誤字脱字の数は重要
・トップレベルのコンピュータサイエンスの大学に通ったかどうかは重要ではない
・履歴書に書かれたサイドプロジェクト(本業ではない個人的な活動)のリストは重要ではない
・GPAもまた重要には見えない
・一流企業で働いた経験は重要
GPA : Grade Point Average の略で、学生の成績評価値のこと
重要なのは「誤字脱字の数」と「一流企業で働いた経験」と書いています。米国と日本の差がありそうです。
日米の差
「誤字脱字の数」とは、履歴書の誤字脱字です。採用試験で長文の論文を書かせているわけではありません。
企業の採用応募時に提出する履歴書に誤字脱字が多い人は、不注意で、作業が雑で、細かなことに気の回らない人である可能性があります。エンジニアとしての仕事でも、不注意や雑な作業によるミスが多くなることが予想されます。
その点では納得がいきますが、米国では履歴書に誤字脱字が多い人がそんなにいるのでしょうか? 日本ではそれを採用のポイントとするほどいないのではないかと思います。
一流企業で働いた経験も日米の差がありそうです。以前、このブログでも、大企業で働くことのメリットを『大企業で働くメリット、デメリット』に書きました。次の点を大企業で働くメリットと説明しています。
- 大規模なプロジェクトを経験できる
- 学べる
- 優秀な人と働ける
- 政治力
- 公平性
- 研修、福利厚生
「大規模なプロジェクトを経験できる」ことは、実質的な管理者として働けば大きなメリットになります。しかし、協力会社に丸投げする仕事では、たいした経験になりません。
日本では雇用の流動性が低いため、ポストのなくなった中高年社員が形式的な仕事ばかりしていることがあります。そのような仕事ではたいした実績になりません。
また、社内政治にばかり長けている人もいます。これは、社外に出たときに通用しません。また、社内の空気を読む重要性は、日本企業と米国企業で差があります。
また、大企業で働いていた人が、そこを退職した理由にも差があります。米国では自らのキャリアアップのため珍しくありませんが、日本では人それぞれです。
通った大学や学校の成績、本業でない個人的活動は、重要ではないということで、日米でもあまり差はありません。
日本での優れたエンジニアの見分け方
仮に日本でエンジニアを中途採用するとしたら、優れたエンジニアかどうかを見分けるポイントは、自分のエンジニアとしての実績をどれだけわかりやすく説明できるかです。
自分の専門分野を専門外の人にわかりやすく説明できる人は、エンジニアとしても優れていると判断して間違いありません。