iOS9で導入されたコンテンツブロッカーを利用した広告ブロックアプリが、有償で広告ブロックを回避するプランを提供しています。
コンテンツブロッカーとは、iPhoneのブラウザであるSafariで特定の要素を非表示にしたり、特定のファイルを読み込まないようにする機能です。
iPhoneの広告ブロックアプリは数種類あり、このコンテンツブロッカーを利用して、広告を非表示にしています。
「Crystal」という広告ブロックアプリが、広告主からお金をもらい、「控えめな広告」と判断した場合には、広告ブロックをはずしています。
広告削除アプリ「Crystal」が広告主向けに有料で広告を「表示させる」プランを開始 – GIGAZINE
マッチポンプのようです。考え方によっては、ウィルスに感染させた相手から身代金をだまし取るランサムウェアのようでもあります。
広告をブロックし、広告を表示させてほしければ身代金をだせということです。
Crystalを使うということは、広告主がCrystalにお金を払い、Crystalが「控えめな広告」と判断した広告だけをSafariに表示させることを意味します。
つまり、Safariに表示させる広告をCrystalに選択させることになります。
Crystalは、以前は無料でしたが、現在は120円になっています。お金を払ってSafariに表示する広告を選択させる意味があるのでしょうか?
どのような広告を表示しているかということは、そのサイトの判断材料にもなります。卑猥な広告を載せているサイトは、それなりの評価になります。
文章の途中にGoogle AdSenseを挿入しているブログは、読者の読みやすさよりも、アフィリエイトからの収入を優先していると判断できます。
広告を表示させないということは、このような判断を行うための材料を捨てることになります。
広告ブロックアプリを使うメリットは、余計な広告を表示しないため、早くなるということです。これが広告ブロックアプリを使う一番の目的だと思います。
間違って広告をクリックしてしまい、いらいらしないためという目的もありますが、表示を早くするためにインストールする人が多いと思います。
しかし、広告主がお金を払った広告が表示されるならば、他の広告ブロックアプリに変えるかもしれません。
少なくともこれから広告ブロックアプリをインストールしようと考える人は、あえてCrystalを選びません。
広告主にとっても、Crystalを使って広告ブロックをする人がどれだけいるかわからない状況で、Crystalにお金を払う人がどれだけいるのでしょうか?
有料で広告を表示するという機能の提供は、賢い選択には思えません。
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