団塊の世代に対して辛辣な記事がありました。
特集ワイド:社会保障費急増、2025年問題 「団塊の世代」老後はお荷物? – 毎日新聞
専門家8人が団塊の世代の職、住、教育などについて分析した本「団塊世代60年」(生産性出版)は、この世代の特徴として、こんな声を紹介している。<プライドが高く、組織や他者批判が好きで、自分は正しい道を歩いてきたと信じ、主張の手段は相手を「論破」すること。下の世代を「自分に甘過ぎる」と決めつけ、他者にレッテルを張り、すぐに「あいつはダメだ」と言いたがる>(一部略)
あくまでも一つの見方にすぎないが、ジャーナリストの森健さん(48)もうなずく一人だ。「経験から言えば、団塊の世代には文句ばかり言う人が多い。年金詐欺の取材で民生委員と横浜市を回った時、地区の行事に参加しないし、勝手なゴミ出しをする人が多いのが、あの世代でした。退職して部長や役員の肩書がなくなり、〇〇さんと名字で呼ばれるのを嫌がる。そのせいか理屈をこねて言い分を通したがるのも特徴ですね」
「官僚は戦後、米国の技術を導入して製造業に規格大量生産を定着させるため、終身雇用、年功賃金を組み込ませた。さらに、地方に独自の文化があると反中央、反官僚的になるため東京一極集中を図った。消費行動では、効率が落ちるからと買い物から会話をなくすように進めるため、スーパーマーケットや自動販売機などを広めた。そして人生設計。学校を卒業した後に就職しないのは不良と宣伝し、働いたら蓄財をするように勧める。結婚するまで出産してはならない。夫婦は部屋数が多い小さい家で子供2人を育てよ、と人生全てを規格化しました。これらに従順に従ったのが団塊の世代なのです」。その結果 ―― 「日本人を全員不幸にした」と堺屋さんは言い切った。
団塊の世代の特徴
1947~49年に生まれた団塊の世代は、70年安保の終わった1969年ごろから大学を卒業し、2009年ごろまで働きました。高度成長期からバブル時代を迎え、バブルがはじけた失われた20年まで働いています。
前半の20年は日本の絶頂期と言っていい時期です。その時代に20~30代を過ごしたのですから、戦後の日本は自分たちが発展させたという自負があります。
終身雇用、年功賃金の下で、政府の持ち家政策に従い、片道2時間近い長距離通勤をいとわず、遠方に持ち家を買っています。多くはローンを返し終えた世代です。
団塊の世代の不幸
団塊の世代が働いていた約40年の間、前半の20年と後半の20年は大きく違います。
それ以前にも、世の中の変化の波をまともに受けた世代はいました。1945年の敗戦や明治維新を生きた世代は、世の中の価値観がひっくり返ったことを経験しています。
しかし、これらの変化は明白でした。
ところが、団塊の世代が経験した変化はそれほど明白ではありませんでした。バブルがはじけ、株価が下がり、土地の値段も下がりましたが、一時的な現象だと思い込もうとしました。
終身雇用や年功賃金を維持できる社会が終わろうとしていることに目を背けてきました。
その結果が、下の世代に対する批判につながっています。世の中が変わったことを受け入れられず、自分たちの価値観で下の世代を判断するために、上記に引用したように言われます。
団塊の世代が生き返る道
団塊の世代が復活するためには、世の中が変わったことを受け入れなければなりません。高度成長期の終身雇用や年功賃金は、もはや成り立たないことを認めなければなりません。
自分たちが築いた日本経済が、多くの人を不幸にしたことを認めなければなりません。過去の自分たちの価値観を否定することは容易なことではありません。
しかし、それができたときはじめて、団塊の世代がお荷物と言われることがなくなります。