投資を毛嫌いする人がいます。過去に身内の人が、投資で失敗したなどの理由が多いようです。
そういう人は、すべて預貯金にしています。銀行も郵便局も信じられず、タンス預金にしている人もいます。
タンス預金は、盗難や火事のリスクが高い方法です。預貯金もインフレリスクがあります。
やはり、適切な投資を行うことが最もリスクの小さな方法です。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』によると、投資は、インデックス投信をドルコスト平均法で買うことがベストです。
インデックス投信とは、市場平均と同じような動きをする運用を目指すファンドです。特別なことをしないので、通常、購入手数料は無料、運用手数料も安くなっています。
ドルコスト平均法とは、定期的に一定金額ずつ購入することにより、取得価額を分散させる投資法です。
一定金額ずつ購入するので、高いときは少ししか買えず、安くなるとたくさん買えます。結果として、平均購入単価が安くなります。
つまり、最小の手数料で、市場平均の価格で、取得額を分散させて買うことです。何も考えずに機械的に買えますので手間もかかりません。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』によるインデックス投信をドルコスト平均法で買うことがベストの理由をここでまとめておきます。
株価の予測は困難
一番の理由は、株価の予想は困難だということです。
株価を予想する方法は、大きく分けて2つあります。テクニカル分析とファンダメンタル分析です。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、株価チャートを作り、それを解釈することです。株価の動きのほとんどは心理的な要因によるものだという考えに基づいています。
株価チャートは、投資のプレーヤーの過去の行動を表しています。それを分析することにより、彼らが将来どう動こうとしているかを知ることができると考えます。
企業の利益や配当、将来の業績など、あらゆる情報は、すでに過去の株価に反映されているとしています。
テクニカル分析では、株価のトレンドが以下の原因で起きると考えています。株価のトレンドにより株価を予想できると考えます。
群集心理における集団形成本能が株価のトレンドを持続させます。
好材料につながることが起きると、情報入手能力の差から、情報は徐々に広まっていきトレンドとなります。
また、新しい情報は過小に評価される傾向があります。その結果、影響が徐々に広まり、トレンドが続くという現象になります。
投資家は株式を購入した価格を覚えていて、その価格を超えるときに心理的な抵抗が大きくなることが、株価の特有の動きを引き起こします。
テクニカル分析がうまくいかない理由
投資家は利益を最大化しようとします。
すると、何か好材料が見つかれば、すぐに株価に反映されます。トレンドなどになる前に株価は動きます。
現代社会では、情報が徐々に拡散して、株価のトレンドを形成することはありません。
情報は瞬時に拡散し、株価に反映されると考える方が自然です。
一方、短い期間の株価の動きはランダムです。
そのため、テクニカル分析では株価の予想はできません。
ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析とは、企業の一株当たり資産価値、利益と配当の期待成長率、金利、リスクなどにより、株式の適正価値が決まるという考えです。
テクニカル分析よりも合理的な考え方です。
ファンダメンタル分析がうまくいかない理由
将来の期待が正しいかどうかは、現時点では証明できません。不完全なデータから正確な期待値を計算することもできません。
特定の要因に対し、市場がどれだけの評価をするか、絶対的な答えはありません。
情報や分析が必ずしも正しいとは限りません。推定を間違う可能性もあります。間違いが速やかに訂正されるとは限りません。
つまり、将来の確実な予想など誰もできません。
過去の実績
過去の実績を調べてみると、平均的な投資信託のパフォーマンスは、市場平均を上回ることができていません。
また、市場を上回る実績をあげた投資信託が、次の時期には損失をもたらすことも珍しくありません。
これらは、株価の予想が困難なことを示している事実です。
長期間の傾向
株式のリターンは、長い期間をとってみると平均的に比較的高くなっています。
リスクを減らす方法
リスクのある株式を組み合わせると、それを構成する個別の株式のどれよりもリスクが低くなるポートフォリオを作ることができます。
ドルコスト平均法
価格の動きが激しいとき、ドルコスト平均法は最も効果的な方法です。
インデックス投信の有利な点
インデックス投信の有利な点は、運用手数料と売買コストです。
インデックス投信が、積極運用されるファンドの平均よりも高いリターンをあげるのは、コストが安いことが大きな要因になっています。
まとめ
株価の予想は困難です。実際に平均的な投資信託のパフォーマンスは、市場平均を上回ることができていません。
インデックス投信は手数料が安く、長期的に上昇が見込まれ、リスクも小さくなります。ドルコスト平均法で購入すれば、値動きの影響も軽減されます。
実績としても、積極運用されるファンドの平均よりも高いリターンをあげています。
ゆえに、インデックス投信をドルコスト平均法で購入することがベストの投資となります。
おわりに
『ウォール街のランダム・ウォーカー』は、株式投資に関するさまざまエピソードを紹介していて面白く読めます。
ボリュームのある本ですが、株式投資に興味のある方におすすめします。