先日、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会などが中心となり、著名アーチストが連名する形で意見広告がありました。
このためでしょうか、6月2日に書いた次の記事がTwitterで次々とリツイートされました。
ダフ屋がなぜ違法とされているかを説明した記事です。
違法とされている理由を理解していないと、見当はずれの反論をすることになります。
どんな反論があるか見てみます。
都合で行けなくなっても転売できないのか
自分が行くつもりでチケットを買ったけれども、都合が悪くなり行けなくなった。そんなときでも転売できないのか、という反論です。
自分が行くつもりで買ったチケットの転売は条例違反ではありません。転売目的のチケットの売買は都道府県の迷惑防止条例で禁止されています。
転売する目的で得たチケットの転売が禁止されているだけです。
自分が行くつもりで買ったかどうかは、チケットの枚数で判断されると思います。
契約自由の原則
契約自由の原則があるのだから、売り手と買い手が合意すれば、いくらで売買しようと自由ではないか。人気のあるチケットが高く売れるのは当然で、そもそもチケットの販売価格が安すぎる、という反論です。
コンサートのチケットは、どんなに人気があっても簡単に販売枚数を増やすことはできません。
人気のあるチケットならば、かなり高額な価格を設定しても売れることはわかっています。
それでもリーズナブルな価格を設定しているのは、そこまでのお金を出せない人にもサービスを提供したいと主催者が考えているためです。
アイドルのコンサートなどは、若い人でも買える価格になっています。
福祉とは違います。主催者が提供するサービスの対象者をどうとらえているかの問題です。
それをチケットを買い占め、高額で転売することは、サービスの提供者にも利用者にも迷惑な行為です。
そのために、各自治体で迷惑防止条例を定めています。
おわりに
チケットの転売は、何らかの形でチケットと本人をひもづけることで防止できます。
ひとりの人は1枚のチケットとしかひもづけできなければ、転売目的で多数のチケットを入手することは難しくなります。
買った人が都合が悪くなった場合は、チケットを譲った相手にひもづけを変更することで対応できます。
実際、顔認証システムによる本人確認なども始まっています。まだ、いろいろと問題はありますが、テクノロジーの進歩で解決できる問題です。