相手の立場になって考えることは重要です。
人間関係の問題の9割は、相手の立場に立つことで解決できます。
未熟な人は自分の立場でしか考えられません。その結果、「自分としては精一杯やったのに」などと愚痴を言うことになります。
相手の立場になってみれば、自分にとっての精一杯の行動が、相手にとっては迷惑だったかもしれません。
ビジネスでも、相手の立場になって考えることにより、お互いが利益を得られるWIN-WINの結論を導くことができます。
勝負事でも、相手の立場で考えることが、思いもよらない妙手を見つけることにもなります。
相手の頭の中を想像する
『伝え方が9割』にこんな話が出ていることを思い出しました。
チカンが頻発する地域で「チカンに注意」というポスターを作って貼りましたが、効果がありません。
しかし、ポスターをあるコトバに変えたら、ぴたりとチカンが止まりました。
なんというコトバでしょうか?
「住民のみなさまのご協力で、チカンを逮捕できました。ありがとうございます。」
この本にはこの他にも、相手の頭の中を想像し、「相手の好きなこと」「嫌いなこと回避」「選択の自由」を駆使して、「ノー」を「イエス」に変えられる例が出ています。
しかし、この例は単に相手の頭の中を想像しているだけではありません。
「チカンに注意」は住民に対してのコトバです。
ここで住民の頭の中を想像しても良いアイデアは浮かびませんでした。
ここで、頭の中を想像する対象を変えたのでした。コトバの対象は住民に対してのままです。
チカンの頭の中を想像したおかげで、チカンの行動を抑止するコトバが生まれました。
相手の頭の中を想像するだけでなく、相手を転換することにより、画期的なコトバが生まれました。
キャッチフレーズも相手の頭の中を想像して作る
キャッチフレーズもお客様を動かすためのコトバです。
ターゲットと定めたお客様の頭の中を想像して作らなければなりません。お客様が自分のことだと思い、お客様のメリットとなることだとピンと来なければなりません。
さらに、相手を転換し、お客様のお客様の頭の中を想像することにより、画期的なキャッチフレーズが生まれる可能性があります。
例えば、お客様の財務コンサルタントのキャッチフレーズを考えているとします。
お客様は財務コンサルタント、お客様のお客様は経理がどんぶり勘定の中小企業の社長だとします。
財務コンサルタントが中小企業の社長の頭の中をすっきりさせるツールを持っていれば、財務コンサルタントのキャッチフレーズに盛り込んで良いものになります。
少し複雑な例となりましたが、相手の頭の中を想像し、さらに相手を別の相手に変えて頭の中を想像すると、新しいものの見方ができます。
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