世の中には、健康法から学習法、人脈作り、経営に関してまで、良いと言われることがあふれています。そして、それらをすべて実行しようとする人がいます。すべてを実行しないと不安になります。セミナーや自己啓発本で「すぐにやること」などと指示されると、何をおいてもやらないと気が済まない人です。
あるいは、すべてを実行することにより、チャンスが広がると考えます。どれかの方法で実行すれば、偶然うまくいくかもしれません。たくさん試せば、そのうち一回うまくいく可能性は高まります。
知識だけを仕入れて、何もしない人よりはましかもしれません。むしろ、何もしない人の方が多いのかもしれません。本を読み、読んで終わりになる人です。セミナーに出て、勉強になったと言って終わる人です。だからこそ、セミナー講師や自己啓発本では、「すぐにやること」と言っているわけです。
しかし、すべてを実行しようとすると時間が足りません。お金も不足するかもしれません。それだけで疲れ果ててしまいます。時間とお金と労力を消費します。どれも有限の資源です。
時間もお金も労力も有限の資源であるからこそ、何に投資するか選択しなければなりません。そのために、ビジョンを描き、目的を定め、戦略を練ります。そして、何を実行するかを選択します。
読む本も、受講するセミナーも、自分のビジョン、目的、戦略から選択すべきです。そして、そこから得た有益な知識を自分の戦略に活かすべきです。手当たり次第に本を読んだり、セミナーに出席したりしても、時間とお金のムダになります。
目的達成のために、何回もトライするとしても、最も確率の高い方法から試すべきです。宣伝効果のテストなどをするにしても同じです。目的を達成する可能性の最も高い方法からテストすべきです。
思考の過程で仮説を立てるのも同じ理由です。思いつくまま手当たり次第に理論を検証していては、時間がいくらあっても足りません。仮説を立て、論理的に最も確からしい理論から検証して、時間その他の資源を節約するわけです。
何事でも、目標をきちんと立て、そこに向かう戦略を工夫しながら進んでいく方法に、闇雲に何でも試してみながら進む方法がかなうはずがありません。
