現在、騒がれているネット選挙は、ネットを使った選挙運動です。ネットを使った投票はまだ先の話です。ここでは、そのネット投票のためには、何ができなければならないかを考えてみます。
1.選挙権を持った人だけが投票できること
まず、選挙権を持った人だけが投票できるものでなければなりません。そのためには、個人を認証する仕組みが必要です。具体的には、個人を識別するカードとパスワードによる認証になると思います。
2.ひとり1票となること
必ず、ひとり1票の投票でなければなりません。間違えて投票ボタンを2度押してしまっても、ひとり1票が保証されていなければなりません。投票ボタンを押した直後にパソコンがフリーズしたときなどは、投票が有効に行われたかどうか確認できなくてはなりません。
3.投票の修正ができること
投票所で行われる投票と異なり、インターネット経由で行われる投票は、特殊な状況で行われる場合もあり得ます。誰かに脅迫あるいは強要されて、無理矢理、ある候補者に投票させられたときのために、後から投票を修正できなくてはなりません。
4.投票の秘密が確保できること
誰が誰に投票したかを調べようとしても不可能でなければなりません。投票システムの開発者や運用者が秘密を守ればよいというのではなく、原理的に不可能になっていなければなりません。
不在者投票では、投票用紙を内封筒に入れ、その内封筒を更に外封筒に入れます。開票時にまとめて開封することにより、誰が誰に投票したのかがわからないようにしている仕組みと同じような仕組みを、電子的に実現しなければなりません。
まとめ
まだ、必要な要件はあるかもしれませんが、少なくともこの4点を満たさなければ、インターネットによる投票はできないはずです。