日本のIT業界はこれから数年間特需を迎えようとしています。
みずほ銀行のシステム統合、日本郵政や東京電力のシステム刷新、マイナンバー関連のシステム構築など大型プロジェクトが目白押しです。
しかし、これは日本のIT業界に致命的な影響を与え、米国にさらに大きな差をつけられることになります。
日本のIT業界の対応
大型プロジェクトの特需に対し、日本のIT業界は、今までと同じ対応を取ると予想されます。すなわち、多重下請構造を利用して、技術者を集め大型プロジェクトの山を乗り越えようとします。
しかし、これらの大型プロジェクトは、ほとんどが従来型システムの開発・更新です。数年後のプロジェクト終了の後は、運用の仕事が残るだけです。
従来型システムしか知らない技術者が大量に余ることになります。
米国のIT業界
これから数年間で、Google、Amazon、Facebookなどは、クラウド基盤を強化し、ウェアラブルコンピュータや人工知能を応用したヒューマンインターフェースの改善に力を入れていきます。
ロボットも現在からは想像できないレベルまで進化するかもしれません。
日本のIT業界の取るべき道
日本のIT業界は、これからの特需の上にあぐらをかいていてはいけません。数年後には人材のミスマッチが顕在化します。
この間に、米国IT業界はさらに先を行きます。日本のIT業界は、米国の技術を買ってきて、日本語の必要な日本のシステムを開発・運用するだけになってしまいます。
現在の日米の技術力の差は、日本のIT業界が目先の利益にこだわり、技術をないがしろにしてきたために広がりました。
数年後の人材のミスマッチと技術の遅れは、日本のIT業界にとって致命的なものになりかねません。
それを避けるためには、目先の利益だけを追いかけることをやめ、独自の技術開発が必要となっています。