ゾウたちが静かに幸せに暮らすカネー村、そこに降ってわいた投資話、次々に巻き込まれていくゾウたち、平和だった村は大混乱に……。
『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』(PHP文庫)は本田健さんが、作家デビュー10周年にあわせて書いた童話タッチの物語です。
この物語には4人の代表的なキャラクターが登場します。
ナイーゾ
頼りないが、家族思いのやさしい性格。まわりをホットさせる明るさが取り柄。
ヤルーゾ
明るい性格で友達がたくさんいる。商才があり、話し上手。苦労話と自慢話が大好き。
ヘルーゾ
本が好きで小説家志望。暗い性格で友達は少ない。
トルーゾ
有能で仕事ができる。すべてが洗練されているが、普通の仕事をする友達を見下している。
彼らが事件に巻き込まれ、生き方が変わっていきます。それは、自分の生き方を見直すきっかけともなります。お金とのつき合い方は人生そのものです。
私の父は家に金がなく中学に進学できませんでした。満州で働き、終戦時にはシベリアに抑留されました。運よく生きて日本に帰ってこられても何もありませんでした。
母と知り合い私が生まれてからも、経済的にはぎりぎりだったはずですが、お金に振り回された記憶はありません。
学校の友達の家にあるものが自分の家になくても、何も感じませんでした。同級生が私立の学校に行くと聞いても、あの家にはお金があるのだと思いましたが、うらやましいとも思いませんでした。
子供のときの私にとって、お金とはうちにはないものでした。欲しいものがあっても手に入らないので、欲しいとも思わなくなっていました。
逆に、商業主義に毒され、物欲を自らコントロールできない人は、どれだけ収入が増えても、お金が足りないと感じます。
どちらも良いことではありません。お金が人生にどのような影響を与えるものか、きちんと理解したうえで、お金とつきあわなくてはなりません。
『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』は、お金とのつき合い方を見直すきっかけとなります。
『金持ちゾウさん、貧乏ゾウさん』の発刊記念に行われた本田健さんの講演会を次の記事にまとめていますので、こちらもご覧ください。