『SNS利用度、日本は49カ国中で最下位』という調査結果が出ました。
欧米やアジアなど49の国と地域のSNS利用動向調査で、日本がSNS利用度で最下位だったということです。
なぜ、日本が最下位だったのか分析してみます。
調査対象
この調査の調査対象は、16歳から65歳の週次でインターネットを利用する人となっています。
つまり、インターネットを使う人の中で、SNSを利用すると答えた人の割合です。人口あたりのSNSを使う人の割合ではありません。
インターネットは使うけれども、メールと検索とネットサーフィンで使っていて、SNSでは使っていないという人が多い国では、SNS利用度は低くなります。
そこで、人口あたりのSNS利用率を調べてみます。人口あたりのSNS利用率は次の式でおおよその値が出せます。
(人口あたりのSNS利用率)=(SNS利用度)×(インターネット普及率)
(SNS利用度)が今回の調査結果である「インターネットを使う人の中でSNSを利用する人の割合」です。
(インターネット普及率)は、『世界のインターネット普及率ランキング』を借用します。
すると、(人口あたりのSNS利用率)は、次のようになります。
調査した49カ国中、日本は57.4%で29位となります。SNS利用度1位のインドネシアはインターネット普及率が低いため、人口あたりのSNS利用率は15.6%で47位となりました。
インターネット普及率の低い国がSNS利用度が高い
SNS利用度の上位5カ国であるインドネシア、ロシア、メキシコ、南アフリカ、エジプトは、インターネット普及率が低くなっています。
これは、後からインターネットが普及した国では、インターネットの利用と同時にSNSも使う傾向があることを示しています。
逆に、インターネットの普及が早かった国では、メールと検索とネットサーフィンを使い始めると、それで満足する人たちがある程度います。
そのような層の人は、SNSに関心を示しません。メールと検索とネットサーフィンができればそれで満足します。
そのため、インターネットの普及が早かった国は、インターネット利用者の中のSNS利用者の割合であるSNS利用度が低くなる傾向があります。
アメリカ、オーストラリア、スイス、イギリス、ギリシャ、ドイツ、フィンランド、中国などがそれにあたります。
SNSが一般的になってからインターネットが普及した国では、多くの人がインターネットと同時にSNSを使い始めるため、SNS利用度が高くなります。
iモード
それでもSNS利用度は、日本はとびぬけて低くなっています。しかも、利用していない人のほとんどは、SNSに関心がないと答えています。
これは、iモードがあるためです。ガラケーのメールとiモードで満足しているため、SNSに関心を示さなくなっています。
まとめ
インターネットを使ってもSNSに興味を示さない人はどの国にもある程度います。そのため、インターネットの普及とSNSの登場に時間差があった国では、インターネット利用者中のSNS利用者の割合は低くなります。
日本がその中でも低いのは、iモードがあるため、iモードで満足している層が厚いためです。
日本のインターネット普及率はすでに頭打ちになっています。SNSの利用者も頭打ちの可能性があります。
しかし、子供や孫がLINEを使うからという理由で中高年のLINE利用者が増えています。LINEにより、SNS利用者がさらに増えていく可能性はあると思います。