熊本地震のときTwitterでライオンが逃げたとデマツイートした人が逮捕されました。
「ライオン逃げた」熊本地震直後にうそツイート 男を逮捕 | NHKニュース
容疑は動物園の業務を妨害した偽計業務妨害です。このデマのおかげで動物園に電話が殺到し、獣舎の点検がスムーズに行えなかったということです。警察にもライオンが逃げているので避難できないと相談が相次いだそうです。
昔からネットにはデマがあふれています。以前は2ちゃんねるが中心でしたが、最近はTwitterに移ってきました。
匿名のように見えるため、自分が特定されることはないと考えているのでしょう。騒ぎを引き起こして喜んでいます。
誹謗中傷、罵詈雑言も同じです。実生活では口にできなことを匿名だと思ってつぶやいています。
ネットのデマや誹謗中傷、罵詈雑言を減らすためには、ネットが匿名ではないことを知らせることが有効です。
その意味では、デマの容疑者が逮捕されたという今回のニュースも、一役買うことになると思います。
NHKのニュースでは、その点について「警察はサーバーを解析するなどして捜査を進め」と書いているだけです。警察が捜査すれば、ネットは匿名ではないことをもっと直接的に書いた方が良いと思います。
ネットのデマや誹謗中傷、罵詈雑言が米国で少ない理由
ネットでデマを流したり、誹謗中傷、罵詈雑言をつぶやいたりする人は、米国では少ないといいます。匿名でしか言いたいことを言えない弱虫、卑怯者と思われるためと言われています。
匿名と思い込んでいるため、弱虫、卑怯者と思われても関係ないと考えるのが、日本の特徴です。米国では、匿名だとしても弱虫、卑怯者と思われる行為は耐えがたいようです。
米国には、ネットが匿名では無いことを知っている人が多いというわけではないと思います。
かつて、ルース・ベネディクトは『菊と刀』で日本の「恥の文化」を批評しました。
西洋社会は罪の文化です。人間の行為は常に神が見ているため、倫理的に正しい行いに努めます。誰にも罪がばれないとしても、人間は罪悪感を感じます。
日本人は誰かに罪を知られたら、非常に恥ずかしく感じます。その結果、死さえ厭いません。しかし、他人にばれなければ、自分のやったことを悪いとは感じません。世間の目がすべてです。
誤解している人も多いですが、これがルース・ベネディクトが指摘した日本の「恥の文化」です。
欧米人は、匿名だと思っても神が見ているため、弱虫、卑怯者と思われる言動をしません。
日本人は、匿名だと思えば、弱虫、卑怯者と思われる行動でも平気でします。他人に知られるかどうかが大切なのです。
この日本人の気質を変えることは、簡単ではありません。
ネットは匿名ではないことを啓蒙する方が、はるかに簡単です。