ITリテラシーとは何でしょうか。パソコンを使えるといっても、いろいろなレベルがあります。電子メールを読んだり送ったりできるレベル、タッチタイピングで文書を作れるレベル、WordやExcelを使いこなして複雑な文書や表を作れるレベル、マクロを使って業務システムを作れるレベル、パソコンを使えるといっても人によって想定するレベルはばらばらです。
また、スマートフォン、タブレット端末、ポータブル無線ルータなど様々な機器やソフトウェアがあります。それらをどれだけ使いこなしているかでしょうか。新しいもの好きで新製品が発売されるとすぐに買って自分で試してみる人は、ITリテラシーが高いのでしょうか。最新機器の製品知識がそのままITリテラシーではありません。
なかには、たまたま自分が知っていることを他の人が知らないとき、自分の方がITリテラシーが高いと考えてしまう人もいます。
新しい機器やソフトウェアの使い方などは、必要な時に調べれば十分です。大事なことは、ITの基本原理を理解しておくことです。コンピュータ科学や統計学の概要を知っておくことです。ITでできることとできないことをきちんと理解しておくことです。そうすれば、ある課題を解決しようとするときに、ITで解決できるのかできないのか、できるとすればどのくらいの費用なのか判断がつきます。
昔は、トラブル対応がどれだけできるかで、その人のITスキルがわかることもありました。なにしろ、マニュアルは不完全で間違いだらけ、マニュアルどおりに動かないことは珍しいことではありませんでした。インターネットもパソコン通信もなく、何かを聞くとしたら開発元の会社に電話するしかありません。入手可能な情報と試行錯誤でトラブルを解決していくのは、推理力と論理的思考力と洞察力でした。現在のように、エラーメッセージでググれば、解決方法が見つかるなんて夢のようです。
ITリテラシーとは、タッチタイピングやwordやExcelなどを使いこなす技能と、様々な機器やソフトウェアの知識と、ITの基本原理に関する知識と、推理力と論理的思考力と洞察力の集合体です。