コンピュータにできない3つのこと | 定年起業のためのウェブコンサルティング

コンピュータにできない3つのこと

ビオラ

チェスや将棋、
一般常識を問うクイズなどで、
コンピュータが人間のトップクラスに勝つようになりました。

以前、次の記事を書きました。

人工知能の新しい夜明け

そんな中で、人間にしかできないことはなんでしょうか?

1.心の表現

私は、芸術とは心の表現だと思っています。
そして、これはコンピュータにはできません。

コンピュータにできることは、
すでに表現されたものをまねることです。

あるアルゴリズムに従ってアウトプットしたものを、
人間が見て何かを感じることはあるかもしれません。

しかし、それは雄大な自然を見て人間が感動することと同じです。
心の表現ではありません。

感動を導くものは、コンピュータにも作ることはできます。
しかし、それは人の心の表現ではありません。

複雑な人間の感情や思考をうまく表現できるのは、
人間の中でも限られた人です。

場合によっては、
恥を忍んで、
苦しみぬいて表現します。

心の内部に抱えていては、
その葛藤で発狂しかねないために、
外部化して、
何とかバランスを保っている人もいます。

芸術家に自殺者が多いことは偶然ではありません。

心の内部の苦しさに耐えられなくなり
自殺したとも考えられます。

このあたりは、当人にしかわかりません。

人間にもよく理解できないことをアルゴリズム化して、
コンピュータにやらせることは無理です。

2.理論を考えること

自然界を支配している法則を見つけ、
理論を考えることも、
アルゴリズムを組み立て、
コンピュータに実行させることは不可能に思えます。

簡単な例でオームの法則を考えてみましょう。

オームの法則とは、
電気工学の最も基本的な法則の一つで、
E=RIと表現され、
電圧と電流が比例することを主張する法則です。

比例定数であるRは抵抗といわれています。

電圧と電流に非常に強い相関関係があることは、
実験をすれば容易にわかります。

ここで、相関関係と書いて、
比例関係と書かないのは、
厳密に測定すると、
電流により温度が上がり、
抵抗が変化して比例しないためです。

オームが実験した当時の実験装置の精度では、
比例するという結果になったかもしれません。

この実験を行い電圧と電流の関係を見つけて、
それを法則とすることをアルゴリズム化できるでしょうか。

世の中のさまざまな事象の相関係数を計算することは、
コンピュータにもできそうです。

しかし、相関係数が高い事象をそのまま法則とすることはできません。

毎朝ポストに新聞が入っているから、
太陽の動きと新聞の間に法則があると考えても意味がありません。

電圧と電流の間の関係と
新聞と太陽の間の関係の違いは何でしょうか。

直接的な因果関係があるかどうかです。

相関があることは因果関係の必要条件ですが、
十分条件ではありません。

因果関係がある場合、
原因があってから、結果があるという、
前後関係があります。

しかし、先に起きたことが、
後の起きたことの原因とは限りません。

因果関係の検証を自動的に行う方法は見つかっていません。

さらに、作用反作用の法則のように
因果関係とは無関係の法則もあります。

作用反作用の法則を見つけ出すのは人間の発想力です。
アルゴリズムに従って見つけられるものではありません。

3.問題を見つけること

「理論を考えること」は、
解くべき問題を見つけることにも関係します。

森羅万象の中から、
人間が時間と労力をかけて見つけ出す価値のある法則、
解決すべき問題を判断することです。

問題を洗い出した後に、
問題の重要度を定義して、
重要度に従って問題を並べることはコンピュータにもできます。

しかし、問題を見つけ出すというアルゴリズムはありません。

4.結論

「心の表現」、
「理論を考えること」、
「問題をみつけること」の3つは、
コンピュータにやらせることはできそうにありません。

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