キャズムを超えたネットサービスはまだほんの一部だけ | 定年起業のためのウェブコンサルティング

キャズムを超えたネットサービスはまだほんの一部だけ

マーケティング

日本のネット人口は、平成23年末の総務省調査で9,610万人、人口普及率は79.1%です。(総務省|平成24年版 情報通信白書)しかし、そのなかには電子メールを送ったり、ネットサーフィンをしたりするだけの人もいます。

ネットの使い方にはいくつものレベルがあり、十分に活用している人はまだ一部だけです。

ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義 | More Access! More Fun!』という記事では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間のキャズム以外に、アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間にもキャズムがあるという説を展開しています。

キャズム理論とは、マーケティング理論です。顧客を「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つのタイプに分け、「アーリーアダプター」と「アーリーマジョリティ」の間には大きなキャズム(溝)があるという説です。

キャズム

そのキャズムを超えるには、マーケットエリアを絞り、絞ったマーケットエリアにおいて一番となってから、マーケットエリアを徐々に広げるという戦略が勧められています。

現在の状況

現在のネットの状況は、次のような感じではないかと思います。調査データではなく私の感覚です。ここが、先の記事を書いた永江さんと私の違うところです。

各タイプの人数は、日本の人口 1億2709万人(統計局ホームページ/人口推計(平成26年(2014年)1月確定値,平成26年6月概算値) (2014年6月20日公表))に、それぞれのタイプの割合をかけました。

イノベーター(318万人)

積極的にネットを使う。
新しいガジェットを試す。
情報収集のためブログなどを積極的に読む。
DropboxやEvernoteを使いこなしている。

アーリーアダプター(1,716万人)

ソーシャルメディアを使っている。
電子書籍を買う。

アーリーマジョリティ(4,321万人)

Amazonで本を買う。
スマホを使い始めた。
YouTubeを見る。
周りの人が使うため、LINEを使い始めた。

レイトマジョリティ(4,321万人)

検索をする。
電子メールを使う。
ネットサーフィンをする。

ラガード(2,033万人)

ネットをまったく利用していない。

キャズムを超えたネットサービス

スマホ利用者は約4,000万人でキャズムを超えました。(スマホからのネット利用者は1年間で1100万人増加、PCからは350万人減少 -INTERNET Watch

Google検索利用者は、内部的にGoogleを使用しているYahooも入れて、約7,000万人でキャズムを超えています。(日本の検索サービス利用者数、Yahoo!が4223万人で1位、Googleは2923万人 -INTERNET Watch

Amazonの月間訪問者数も約4,800万人でキャズムを超えています。(圧倒的な集客力|Amazon Services

Facebookのアクティブユーザー数は約2,100万人、Twitterは約2,000万人、YouTubeは約5,000万人、LINEは約4,000万人です。(日本の主要なSNSのアクティブユーザー数を調べてみた | Hivelocity ハイベロシティ

アーリーマジョリティがソーシャルメディアを使い始めています。ソーシャルメディアはキャズムを超えつつあると言えます。

ネットのサービスでキャズムを超えたものは、こんなところだと思います。

DropboxもEvernote も電子書籍も、まだキャズムを超えていません。

結論

このようにみると、キャズム理論はネットにもよくあてはまっています。

ネットでは、やっとメジャーな一部のサービスがキャズムを超えているだけです。ネットで話題になってもレイトマジョリティにはまったく届きません。

レイトマジョリティは、電子メールやネットサーフィンなどで、かろうじてネットを使っている人たちです。このような人はブログなどをめったに読みません。

別に、アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間に新たなキャズムがあるわけではありません。レイトマジョリティは、アーリーマジョリティの後を追うだけですから、その間にはキャズムは存在しません。

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