公的年金の減額を覚悟しなければならない世の中で、退職後に豊かな生活を送るための心がけがまとまっています。
1.退職を境に家のことに口出しをしない
退職するまで家のことは妻にまかせっきりだった夫が、退職を機に細かく口出しし、妻にダメだしをすることが、珍しくないそうです。職場で部下を指導するつもりで、妻に向き合うわけですから、当然、奥さんはうんざりします。退職後の生活については、きちんと奥さんと話し合うことを奨めています。
2.退職金をもらっても無駄遣いをしない
夫婦でビジネスクラスを使い海外旅行に毎年行くなど、元気なうちと考えて、お金をたくさん使う人もいるようです。
3.金持ちにつきあわない
金持ちの知人と趣味や遊びでつきあい、ゴルフや飲み会、海外旅行などで分不相応なお金を使う人もいるそうです。
4.子供にダラダラとお金をかけない
就職後、退職して自費留学を決意した子供に留学費用を出したり、キャリアチェンジのためにロースクールに通う子供に学費を出したりする人もいるようです。本書では、子供一人あたり500万円の予備費の準備を奨めていますが、どこまで支援できるかを宣言することが必要です。
5.金融商品の勧誘にのらない
退職まで金融商品を買ったことのない人が、退職金目当ての銀行の勧誘に負けて、投資信託を買い、大損をしている人の例が書かれています。
6.不動産投資の勧誘にのらない
今や日本の地価は下落傾向にあります。不動産には管理費、修繕費、固定資産税などのコストがかかり、仲介手数料などの諸費用も発生します。そういったことを考慮せずに不動産投資をはじめ、「こんなはずじゃなかった」となる人もいるそうです。
まとめ
現在の預貯金、退職金、退職後の収入、年金を考慮し、きちんと資金計画をたてることが大切です。人生を棚卸し、退職後、何にお金を使っていくかを決めることです。退職前にキャリアについてまったく考えていなかった人にとっては、退職したからといってその後のキャリアを考えることは難しいと思います。自分のキャリアについては、若いうちから考えておくべきです。
最後に気になったのは、高齢になると理性的な判断ができなくなり、不安になってお金を使えなくなる人がいるということです。最期まで理性的判断ができるようでいたいですが、そのためには、心身ともに健康でいることだと思います。