将棋でもコンピュータがプロ棋士に勝ち越しました。人間がコンピュータに将棋で勝てなくなるのも、それほど先ではありません。
現時点でも、人間がコンピュータとまともに戦ったら勝てなくなっています。コンピュータと対戦したときに人間のとる手は、コンピュータが十分に評価データを蓄積していない場面に持ち込み、勝負することになります。しかし、コンピュータ側は、その結果を次の対戦で取り込めますから、人間が勝てなくなるのも時間の問題です。
そうなると、コンピュータは、名人戦など人間通しの対局の分析に使われることになります。また、人間とコンピュータがチームとなった対局が行われるかもしれません。人間の長所とコンピュータの長所を活かし、最適な役割分担方法を探ることになります。
人間通しの対局では、裏でコンピュータを使っていないか、不正防止の確認が必要になるかもしれません。大学入試で携帯電話を使ってWebサイトに問い合わせるという事件がありましたが、似たようなことが学校対抗の対局などでおもしろ半分に行われないとも限りません。
コンピュータが将棋の全手順を分析して、先手か後手に必勝の手順があるのか、双方が最善手を指し続ける限り勝負はつかないのかを見極める完全解明には時間がかかると思います。
日本将棋連盟としては、トッププロのコンピュータとの対局を避け、人間の尊厳を守るという選択をすることも考えられます。トッププロがコンピュータに負けるのがいつかは、いつトッププロとコンピュータとが対戦するのかに依存するので、あまり興味はありません。おそらく、現時点でも奇策を使わない限り、コンピュータに勝てなくなっていると思います。
いずれにしても、人間通しが将棋を楽しむことはなくならず、対局が終わってからコンピュータで、どの手が敗着手だったか分析するという使い方が、一般的になります。
すると面倒なのは、棋譜の入力です。棋譜を自動的にコンピュータに入力できる将棋盤と駒が発売されることになります。これは現在の技術でもできそうです。