手段の目的化を防止するプロジェクトマネジメント

スイカズラ

 プロジェクトとは、1回きりの期限のある仕事と定義されています。期限はたいていの仕事にありますから、繰り返し行われる仕事でなければ、ふつうはプロジェクトになります。例えば、トンネルを掘るとか、橋を作るといった土木工事はみんなプロジェクトです。個人生活で言えば引っ越しなどはプロジェクトになります。

 プロジェクトをきちんと完遂させるためには、コツがあります。そのうち個人生活でも使えそうなものを紹介します。

1.目的を明確にする

 何か行動したり、仕事をしたりするときには、その目的を明確にすることです。これが最も大切なことです。目的が、関係者により考えていることが異なったり、あいまいなままだったりしては、プロジェクトが完了したのか、うまくいったのかさえわからなくなります。

 よく手段の目的化といわれますが、目的を明確にしておけば、手段の目的化は起こりえません。逆に、目的を達成するためには、手段は何を使っても良いので、画期的なアイデアが生まれるきっかけにもなります。

 何か仕事なり活動なりをするときは、その真の目的が何なのか考えると、そこに欺瞞やごまかしが隠されていても見つけられます。社会に貢献するとか生活をより良くするという目的が掲げられていても、本当に社会に貢献することになるのか、生活が良くなるのかと考えていくと、化けの皮がはがれていくようなときです。

2.制約を明確にする

 目的の次に明確にしなければならないものは、変更できない制約事項です。納期であったり、費用であったり、プロジェクトにより異なります。ただし、制約は本当に変更できないものであるかどうか、確認が必要です。

 例えば、転勤に伴い引っ越しをすることを考えます。4月1日から新しい赴任先で働かなければならないとします。普通に考えると引っ越しの期限は3月中ですが、転勤が決まったのが3月30日で、3月中の引っ越しが不可能な場合は、とりあえず4月1日からは新しいところで働くとしても、引っ越しはその後に行うことが考えられます。

 制約については、それが本当に変更不可能なのかどうかをきちんと把握しなければなりません。実現不可能な計画を立て、結局、納期に間に合わなかったり、費用が足りなくなったりすることは、一番避けなければならないことです。

 計画が実現不可能であったり、リスクが大きかったりする場合には、制約が本当に変更できないものなのか検討することも一つの方法です。実現不可能な計画で進めてはいけません。リスクが大きい場合には、リスクが顕在化したときの対策が必要です。

まとめ

 普通は、大人数で長い期間をかけて遂行する仕事に適用されるプロジェクトマネジメントの手法ですが、個人生活に役に立つこともあります。手段を目的化することがないというのもその一つです。手段の目的化は人がしばしば陥りがちな誤りですが、プロジェクトマネジメントの手法に慣れていると、目的を明確化することは当たり前になります。そのため、手段を目的にしてしまうということはなくなります。