人生のインデックスになります|『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』 | 定年起業のためのウェブコンサルティング

人生のインデックスになります|『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』

 現代人のかかえる悩みのほとんどは、すでに学問的な答えがでています。それを知っているのと知らないのとでは人生が大きく変わります。本書では、さまざまな悩みごとにどのような学問がどのような答えを出しているのかを紹介しています。ここでは、どの学問がどの悩みに答えを出しているのかという観点から見ていきます。

収穫逓減の法則

 単なるがんばりが報われないことを説明する法則です。「新たに投入するもの1つあたりの生み出す価値は徐々に小さくなっていく」ためです。簡単な例で説明すると、2杯目のビールは1杯目のビールほどうまくないということです。

内生的経済成長理論

 どのようにして新しい事業を生み出すかという疑問に回答を与える理論です。答えは「新しいアイデアによって収益性を上げる」ことです。そのためには、「個人として、きちんとした知識を常に身につけ、それを周りと共有する姿勢を持ち続けること」および「知識やアイデアが十分にストックされたり、使われたりしている場に居続けるということ」です。

 すなわち、きちんと基礎を学んでから、いろいろな人とアイデアを交換し、アイデアの化学反応を引き起こして、新たなアイデアを生み出すことです。そのためには、そのような人と意見交換のできる場にいなければいけません。

行動経済学

 お金の貯まらない理由、投資で失敗する理由、投資で成功する方法を説明する学問です。お金の判断を狂わせる「心の会計」、「自信過剰のバイアス」、「リスクを避けすぎるリスク」、「損失嫌悪バイアス」、「現状維持バイアス」、マクロ経済に存在する「貯蓄のパラドックス」が、その理由です。

ポジティブ心理学

 人々の幸せを研究するための心理学です。幸せに仕事をするためには天職に就くことです。天職を見つけるための方法が、MPS(Meaning, Pleasure, Strength)プロセスです。すなわち、次の3つの質問に答えることです。
「自分は特に、どんなことに意義を感じるのだろうか?」
「自分は特に、どんなことに喜びを感じるのだろうか?」
「自分は何が得意なのだろうか?」
そして、自分の得意とすることに対してより高次元の目的を持って情熱を傾けることが天職となります。スティーブン・R・コビィー『第8の習慣』のボイスと通じるところがあります。自分の才能を見つけるためのツールとしては、VIAテストやストレングスファインダーがあります。

 また、ポジティブ心理学は、家庭のトラブルも減らします。恋愛や夫婦の関係というものは、人間の幸せを大きく左右します。そのためには、ポジティブな言葉で会話をすることです。ポジティブな習慣を身につける方法の1つは、毎日寝る前に「その日あった良かったこと」を3つずつ思い出してノートにつけることです。もう1つは、感謝の手紙を書くことです。タル・ベン・シャハー『ハーバードの人生を変える授業』にも同じことがでてきました。

 幸福の決定要因には、「感謝」「許容」「気づき」の3つの考え方があります。「感謝」とは誰かの人柄や道徳的な行いのすばらしさを強く認識することです。「許容」の考え方を持った人は、自分に害をおよぼした人や過去の体験を許すことができます。「気づき」とは、「今この瞬間の幸福」に気づける力のことです。幸せになるということは、夢の実現に向けて夢中で打ち込むことです。神田昌典『全脳思考』の全脳思考チャートで考える人生計画に近い感じがします。

行動活性化療法

 才能を活かすための方法です。「どれぐらい集中して、ワクワクして、意義や喜びを見いだせたか」という点についての満足度を上げることです。そして、「フローに入る感覚」を身につけることが重要です。マイク・マクマナス『ソース』にもありました。

組織行動論

 会社組織をうまく回すための理論です。その中でもリーダーシップ論が、部下とどう接すべきかという問いに答えを与えます。自分と異なるタイプの人間がいることを理解した上で、その自分と異なるタイプに合わせてどう接すれば良いのかという対策を持っておけば良い、というのが結論です。ロバート・M・ブラムソン『「困った人たち」とのつきあい方』には、さまざまなタイプの人とその対処方法が出ています。

パス・ゴール理論

 部下への対処の仕方の理論です。リーダーの行動が部下に受け入れられるためには部下の満足度を高めなければいけません。そのためには、4つのリーダーシップの種類を使い分け、チームにおける9つのポジションに部下を割り当て、5つのパワーの源泉を身につけなければいけません。すなわち、異なるタイプの部下にはそれぞれ適切な対応方法があるということです。

プロジェクトマネジメント

 ルーチンワークでない独自の成果物と期限が決まっている仕事を達成するための学問です。「どのように仕事を行って目標を達成するか」に関して、さまざまな手法があります。私は、この分野の専門家です。現代人の悩みの解決に使えるという観点があることに気づきましたので、別途記事を書いてみたいと思います。

 『サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている』で紹介されている学問・理論ごとに悩みと答えを簡単にまとめました。興味を持たれた方は、本書および関連する本を読まれることをお薦めします。

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