日本で個人が運営しているブログでは、最大のアクセスを得ていると思われる「Chikirinの日記」について、始めた理由からブログの運営方針、広告収入額、ブログの成功要因まで幅広く書かれています。ここでは、私の気のついた点を書きます。
1.“はてな”を選んだ理由
ちきりんさんが、“はてな”ダイアリーを選んだ理由は、日付がわかりやすいことが決め手です。ブログには古い記事も含まれるため、日付は必須です。私のこのブログも、途中から左上に日付を入れるようにしました。それまでは、末尾に小さく出ているだけでした。
「Chikirinの日記」で気になるのはURLです。URLの末尾が「yyyymmdd」の形式で、日付を示しています。1日に2つ以上の記事を書くとどのような形式になるのかわかりません。もしかしたら、ダイアリーであるから、1日1記事までなのかもしれないと考えました。
2.匿名と実名
「Chikirinの日記」は、“はてブ”でブレークしましたが、現在はFacebookによる拡散が圧倒的に多くなっています。Facebookは実名制ですから、「ちきりん」の名前はFacebookにありません。Facebookでの拡散が圧倒的に多いにも関わらず、自らの名前で登録できないのは、やはり不利になります。
これから自分のブログを広めたい人にとっては、Facebookの活用が最も効果的です。そのために、実名が必要になります。もはや、ブログを匿名で書くか、実名で書くかを云々する時代ではなくなっています。それでも、ペンネームを使う選択肢は残っています。
また、Facebookを使ったとしても、写真を公開するか、プライバシーをどこまで公開するかは、選択の余地があります。
ただし、Facebookは“はてブ”と異なり、実名制のため炎上は起きにくくなっています。炎上による拡散はねらえません。その代り、Facebookコメントを採用すれば、非常識なコメントもめったにありません。
3.ゴール
ちきりんさんは、「Chikirinの日記」を想定読者を絞った価値あるメディアに育てることに、ゴールをおいてます。そのために、ブログを4つに分けています。「Chikirinの日記」の専門性を高めるためです。
現在は、ひとりのブログで複数のテーマを扱う人の方が多くなっています。テーマごとにブログを分けると、更新頻度が下がるためです。ブログの専門性よりもブログの更新頻度を上げて、記事数を増やした方がファンが増えると考えるブロガーが増えています。自分の扱うテーマ全体を含めてファンになってもらおうという考えです。
4.独自ドメイン
無料ブログを使う最大のデメリットは、ブログサービスが停止された場合、同じURLを使い続けることができなくなることです。自動的に新しいURLに転送することもできません。新しいURLの案内を表示することもできません。
現在は、SNSにより新しいURLを通知することができますが、検索エンジンからのアクセスはしばらくの間、激減します。もとのアクセス数に戻るまでには、かなりの期間がかかると予想されます。
また、バックアップは自分でとっておかないと危険です。無料ブログも自分で構築した独自ドメインのブログも同じです。会社が消えると共に、データも吸い出せなくなる可能性があります。本書を読んで、ちきりんさんがバックアップをきちんと取っているか心配になりました。
まとめ
ブログを書いている私としても、「Chikirinの日記」の読者がどのように増えていったのか、それをちきりんさんがどのように分析しているのか、非常に参考になりました。現在では、同じ方法はもう使えませんが、これからのブログ戦略を考えるうえで大いに役に立ちます。