ドメインとは、インターネットの住所にあたるものです。このブログでは「kcszk.com」で、独自ドメインになっています。
独自ドメインを使うとき、通常はお金を払って、ドメイン取得業者(お名前.comやムームードメイン)からドメインを取得します。ブログを始めるならば、レンタルサーバーを借り、取得したドメインを使い、WordPressをインストールするのが一般的です。
ブログのセットアップを誰かに頼んでも、WordPressのアップグレードが問題になります。アップグレードをしないと、セキュリティの問題が発生します。WordPressは世界中で最も使われているCMS(Contents Management System:ブログなどテキストや画像を簡単に更新できるシステム)です。セキュリティホールが見つかるとすぐにねらわれます。
WordPressのアップグレードでは、トラブルが発生することがあります。このブログでも何回かトラブルがありました。自分で対応できればよいのですが、自分で対応できる自信のない人は不安になります。
「独自ドメインにしたいけれど、WordPressのアップグレードに対応する自信がない。お金を払ってサポートしてもらうのは高すぎる。」という人も多いようです。
無料ブログサービスの中には、独自ドメインが使えるものがあります。そこで、無料のブログサービスで独自ドメインを使ったら、WordPressのアップグレードが不安な人にとっては、よい選択かもしれないと思い調べてみました。
独自ドメイン
まず、独自ドメインのメリットを整理しておきます。
独自ドメインは、世界で唯一のものです。あなたのサイトを表すものです。
仮にレンタルサーバー会社が倒産しても、別のレンタルサーバーを借りて、同じドメインを使い続けることができます。
ドメインが変わってしまうと、それまでの外部リンクがすべて無効になります。これまでFeedlyなどの更新情報を受け取るサービスに登録してもらったり、メールに書いたりしていたリンクからブログに来れなくなります。
Facebookの「いいね!」の数などもゼロになります。
ドメインを使い続けられることが、独自ドメインのメリットです。使うためにはお金がかかることがデメリットです。
無料ブログサービス
無料ブログサービスでは、通常はそのブログサービス独自のドメインを使います。
そのため、もしブログサービスが停止になったり、会社が倒産したりすると、ドメインを使い続けることができなくなります。
これが、無料ブログサービスの最大の弱点です。この弱点に比べれば、広告が表示されることなど小さなことです。
その代わり、高性能のサーバーを使い、アクセスが集中してもサーバーがネックになることはあまりありません。その他にもブログサービスとして、さまざまなサービスを用意しているところがあります。
独自ドメインが使える無料ブログサービス
そこで、独自ドメインを使える無料ブログサービスを調べてみました。独自ドメインを無料で使えるところと有料化が必要なところがあります。
Seesaa
「Seesaa ブログ」は、無料で独自ドメインが使えます。
次のところにその方法が書かれています。
DNSサーバーでCNAMEレコードを追加します。簡単にいうと、ドメインとIPアドレスを結びつけるサーバーのところで、別の名前を登録するということです。
Seesaa ブログでは、URLの形式は次のようになっています。
xxxxxx/zzzzz/nnnnnnnn
この形式をWordPressで使うためには、パーマリンク設定をカスタム構造にして、エントリごとにURLを個別に指定する必要があります。
Blogger
Bloggerは、Googleが提供するブログサービスで、無料で独自ドメインが使えます。
独自ドメインを使う方法は次のところに書かれています。
Bloggerも基本的に同じ方法です。DNSサーバーでCNAMEレコードを書き換えます。
BloggerのURLの形式は次のようになっています。
xxxxxx/yyyy/mm/zzzzzzzzz.html
これ以外の形式がとれるかもしれませんが、外部からはわかりませんでした。
WordPressでこの形式を使うためには、パーマリンク設定を年月を含めたカスタム構造にしなければなりません。エントリごとにURLを個別に指定する必要があります。
忍者ブログ
忍者ブログも無料で独自ドメインが使えます。
方法は次のところに書かれています。
忍者ブログも同じ方法です。DNSサーバーでCNAMEレコードを書き換えます。
忍者ブログはブログの具体例が見つからないので、URLの形式もわかりませんでした。
livedoor Blog
ライブドアブログ(livedoor Blog)も独自ドメインの設定を無料にしました。
方法は次のとおり基本的に同じです。
独自ドメインを設定する (お名前.comの場合) – ライブドアブログのヘルプ(PC向け)
livedoor Blogでは、URLの形式は次のようになっています。
xxxxxx/zzzzz/nnnnnnnn.html
この形式をWordPressで使うためには、パーマリンク設定をカスタム構造にして、エントリごとにURLを個別に指定する必要があります。
はてなブログ
はてなブログは、有料プラン「はてなブログPro」に加入することで独自ドメインを設定できます。2年コースで600円/月かかります。
方法は基本的に同じです。
はてなブログを独自ドメインで利用する – はてなブログ ヘルプ
はてなブログでは、URLの形式は次のようになっています。
xxxxxx/entry/yyyy/mm/dd/nnnnnn
この形式をWordPressで使うためには、パーマリンク設定を年月日を含めたカスタム構造にしなければなりません。エントリごとにURLを個別に指定する必要があります。
WordPress.com 日本語ブログ
WordPress.comも独自ドメインを使えます。ただし、有料にしなければなりません。Premiumで$8.25/月、Businessで$24.92/月です。
WordPress.com Plans | WordPress.com Store
WordPress.comでは、独自ドメインを使う方法が3つあります。
いずれの方法も他のブログサービスとは異なり、直接ドメインを割り当てる方式です。
WordPressを使うため、URLの形式が異なる心配はありません。
結論
無料ブログサービスでも独自ドメインを使えるところが意外とありました。有料にすれば使えるところもあります。他にもあるかもしれません。
しかし、WordPress.com以外は、トップページは独自ドメインとなりますが、それ以外のページは、各ブログサービス独自の形式であることに注意が必要です。
仮にブログサービスが停止し、他のブログサービスに移行するか、レンタルサーバーを借りてWordPressに移行するかする場合に、独自ドメインはそのまま使えたとしても、トップページ以外のURLの形式を合わせなければなりません。
これはかなり手間のかかる作業です。場合によっては不可能かもしれません。
独自ドメインを使う最大の理由は、他のサーバーに移行しても、URLが変わらないことです。WordPress.com以外の無料ブログサービスの独自ドメインでは、そのメリットが活かせません。
結論としては、WordPress.com以外の無料ブログサービスの独自ドメインは、ほとんど使う意味がありません。
なお、WordPress.comは、レンタルサーバーでWordPressを使ってもすべての記事のURLを変更しないことが可能です。しかし、WordPress.comで独自ドメインを使ったときの価格は、レンタルサーバー代よりも高くなる可能性があります。
【関連記事】
インストール型WordPressとWordPress.comの違い