好きなことをして食べていける人はあまりいないのかもしれません。
私が30年以上前に会社に勤め始めたころ、「社員など会社にとっては小さな歯車にしか過ぎない」と、わけしり顔に語っていた上司がいました。
30年前とは、働く環境は大きく変わりました。誰もがつぶれるはずがないと思っていた大企業がいくつもなくなりました。
企業が生き残りのために、賃金カット、リストラを行うことは当たりまえになりました。
年金制度もどうなるかわかりません。
逆に、インターネットの発展は、新しい働き方を生み出しました。誰でも簡単に世界中に向けて情報を発信できるようになりました。
立花岳志さんの『サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法』は、そんな時代の自由に生きていくための心構えです。
ここでは、そのうち8つを紹介します。
1.自分を縛りつけるグループから離れる。
日本社会では、協調することを求められます。協調性の高さを人事評価の項目にしている会社もたくさんあることでしょう。
会社で不正があっても、問題にしようとする人は異端者扱いされます。オリンパス事件は外国人の社長が来てはじめて表に出ました。
そんな日本社会で、群れずにグループから離れることには勇気がいります。
まずは、自分の意見をきちんと表明することから始めましょう。人の選択に従うことをやめましょう。
人はつき合う人により変わります。あなたの人生を決めるのはあなたです。
2.仕事帰りの飲み会は「あとに続くものか」を考える。
あなたは、職場の同僚や上司、部下あるいは取引先とちょくちょく飲みに行きますか。
その目的はなんでしょうか。職場の懇親ですか?それとも素面では話せない話をするためですか?目的のない飲み会は時間とお金のムダです。
人によっては、仕事で毎日のように会食しなければならない人もいると思います。そのためにメタボと診断されても、仕事だからとあきらめていませんか。
酒が入らなければ話ができない人は、仕事もできない人です。酒が入ると頭の働きは鈍ります。重要な話は素面でやるものです。
職場の同僚と毎日のように愚痴を言いあう人は論外です。
仕事に必要な話は、昼間にオフィスや会議室でやりましょう。お客様との会食は、主導権を持ち、短時間ですますようにすることです。
3.人の役に立つことを考えていれば、お金は稼げる。
お金は人に役に立つものやサービスを提供して、その対価としていただくものです。それ以上でも以下でもありません。
マーケティングで重要なことは、お客様のニーズを的確につかむことです。お客様の役に立つものでなければ売れません。
お客様の役に立つものをあなただけが提供できるならば、それはヒット商品になります。
人の役に立つことを探すこと、それがお金儲けの基本です。
4.好き勝手なことをしていると、自然と恵まれる。
人は好きなことをやっているときは、楽しいものです。楽しいことをやっているときは、寝食を忘れます。
いやいややっている人、歯を食いしばってやっている人、義務感でやっている人は、楽しくやっている人にどうやってもかないません。
仕事にすると、いやでもやらなくてはならなくなるから、一番好きなことは仕事にしない方が良いという説があります。
しかし、一番好きなことが仕事になるならば、たまたま気が乗らないときに、やらなければならなくなったとしても大した問題ではありません。
好きなことをやって、それが人の役に立つならば、こんな素晴らしいことはありません。
5.やりたいことがあるなら、やらないことも決めなさい。
1日は24時間しかありません。これは誰にでも平等です。
その中で、新たに何かをやろうと思ったら、何かを削るしかありません。
睡眠時間を長期間にわたり削ることは、健康を害します。健康を害すと、回復のために時間を要します。あるいは人生を終わらせることになるかもしれません。
運動する時間も同じです。現在の運動する時間と、将来の病気になり寝ている時間と、どちらが良いかという問題です。
テレビをだらだらと見ている時間がある人は幸いです。その時間を削ればよいだけです。
そのような時間がない人は、時間を計画的に割り振って、何にどのくらいの時間をかけるかを決めていくしかありません。
6.人生を楽しみ続けるために、慣れを捨てる。
人はいつもどおりであると安心します。余計なエネルギーを必要とせず、いつもと同じようにしていれば良いからです。これをコンフォートゾーンといいます。
しかし、それはあなたが望んでいる生活ではないかもしれません。そのときには、思い切ってコンフォーとゾーンを変えてみます。
理想とするコンフォートゾーンをありありとリアルに想像し、声に出して言うことにより、潜在意識に植えつけます。
潜在意識は、あなたが眠っている間も、それを実現するために働き続けます。
7.夢は紙に書き出すほど、けっこう手に入る。
自分の夢を紙に書き、声に出して読むことは、効果があります。
夢は意識していないと、忙しい現実にまぎれて、忘れられてしまいます。
夢を紙に書き、声に出して読みます。そうすると、潜在意識が、それを実現するために常に働き続けてくれます。
潜在意識は、顕在意識の何倍もの情報を処理しています。あなたの気がつかない情報も含め、夢の実現に役立つ情報を見逃しません。
8.すばらしい出会いをとことん楽しむ。
人は普通、自分と似通った人と交流します。会社の同僚や得意先、たまに学生時代の友人と会うかもしれません。
同じような人とばかり付き合っていては、あなたは変わりません。付き合う人を変えるとあなたも変わります。
人間は一人では生きていけません。自分のビジネスや人生にとって、必要な人を選んで付き合わなくてはなりません。
立花さんは、「メンター」「同志」「サポーター」の3つに分類して考えるそうです。「メンター」は、尊敬する「師」です。「同志」は、一緒に頑張っている仲間です。「サポーター」は応援してくれる人です。
新しい人間関係をつくるおすすめの方法は、尊敬する人、こうなりたいと考える人のセミナーに参加することです。志を同じにする人が集まっています。
懇親会があれば、講師とも直接話をする機会もあるかもしれません。そのあとは、Facebookでつながることもできます。
まとめ
『サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法』は、立花さんの経験も踏まえて、自分の生きたい人生を送るための方法が書かれています。
世界中に容易に情報を発信できる世の中で、あなたの尊敬する人、同じ志を持つ人、応援してくれる人とのつながりも作りやすくなりました。
この恵まれた環境を生かさない手はありません。