総務省から2年縛りの見直しを要求されているにもかかわらず、キャリアは3社とも2年縛りをやめません。
2年縛りとは
2年縛りとは、2年間の継続利用と引き換えに、割引を提供する契約です。2年以内に解約すると解約金を支払わなければなりません。
これだけであれば、問題になることは少ないと思います。利用者も納得します。
しばしば問題になるのは、解約金が発生しない期間が1ヶ月しかないことです。この1ヶ月を過ぎると、再び2年間の解約金の発生する期間となります。
しかも解約金の発生しない1ヵ月間は分かりにくく、すぐに忘れてしまいます。
2年縛りのある理由
2年縛りが始まった理由は、ガラケーもスマホも利用者数の増加が頭打ちになったためです。
どのキャリアにとっても、新規ユーザーの獲得よりも、既存ユーザーを手放さないことと、他のキャリアから顧客を奪うことが重要になりました。
2年縛りがなくなったら
キャリアにとっては、2年縛りをやめると割引もやめざるを得ず、目先の売上に影響が出ることが予想されます。
逆に、2年縛りをやめることにより、利用者が増えることは期待できません。他のキャリアに変更しやすいという理由でキャリアを選ぶ人はいません。
最初の2年間は割引と引き換えですから、解約金があっても納得できます。しかし、1ヶ月の解約金のない期間の後、再び2年間解約金が発生することは納得できません。
ここを改善するだけでいいと思いますが、2年後に他のキャリアに移行しやすくなることは、売り上げには結びつきません。
利用者から見たとき、2年縛りがなくなると、割引が無くなる代わりに、いつでも自由にキャリアを変更できるようになります。
自由にキャリアを変更できることにどれだけのメリットがあるでしょうか? 現状では、どのキャリアの料金プランも大きな差はありません。
端末はSIMロック解除が義務化されました。どの端末を買っても今までのキャリアで使えるし、同じ端末のままキャリアを変えることもできます。
しかし、利用者は、どこかのキャリアが安い料金プランを出せば、そちらに乗り換えることができます。
2年縛りは、キャリアが回線の価格競争に陥らないために、役立っていることになります。いわば、カルテルのようなものです。
結論
2年縛りは、キャリアが価格競争に陥らないための防波堤になっています。そのため、利用者に負担を強いている仕組みです。
利用者としては、MVNOを利用して、3大キャリアを使わないようにするしかありません。