一般的には目標を持ち、戦略的に進むことが、自分のなりたいものになり、やりたいことをやるために有効です。
目標がないと、どちらに進めば良いのか、進む方向がわからなくなります。
見通しの悪いジャングルを抜け出すためには、高い木に登り、進むべき方向を決めてから進む方が効率がよく、むやみに歩き回っても抜け出すことはできません。
目標に向かって進むために役に立たないものは、重要でないものです。重要でないものには時間を割く価値がありません。
しかし、目標を決めることが苦手という人がいます。なりたい自分がわからないという人です。やりたいことはたくさんあるので、とりあえず目の前のことをやります。
そうすると、重要なものと、そうでないものとの区別がつきにくくなります。
『7つの習慣』では、重要なことを優先的にやることを勧めています。緊急ではないが、重要なことをどれだけするかで、その人のその後の人生が決まると言っても過言ではありません。
しかし、目的がないと、重要かどうかを判断するための基準があいまいになります。目的がない人が重要かどうかを判断する基準は、そこからどれだけの快楽を得られるかになります。
私は、このような人はもったいないと思っていました。目の前のやりたいことをやっているだけで、進むべき方向にちっとも進まないからです。
しかし、最近は考えを改めました。進みたい方向が特にないのだから、身の回りのやりたいことをやっていて良いのではないかと考えました。
本人が大きく変わることはありませんが、毎日やりたいことができているのだから、それで幸せなはずです。
しかし、この生き方には欠点があります。
もし、重大な危機が近づいていたとしても、それに気づきにくいということです。
バブルの時代にバブルを謳歌することだけを考え、バブルがはじけた後のことを考えなかった人たちと一緒です。
会社が倒産したりすると、そこから新しい仕事を探さなければなりません。自分のキャリアパスを考え、スキルを磨くということはしていないはずです。
何かを学ぶとしても、目の前にある面白そうなことを学ぶだけです。
ただし、重大な危機はそれほど起きるものではありません。
仮に起きたとしても、それから考えることもできます。そのときには、目標志向以外の強みが、活かされるはずです。
そのように考えれば、自分のなりたいものがわからず、目標が決まらないという人も気にすることはありません。
それ以外の自分の強みを伸ばしていくことです。