『人間関係をしなやかにするたったひとつのルール』では、人間関係を良好に保つために、自分の「行為」と「思考」をコントロールすることを勧めています。他人をコントロールしようとすることは、人間関係をこわす原因となります。
例として次のようなものがあげられています。
他人をコントロールしようとすると次のようになります。
気づいた彼女が彼に言い放った一言は
「疲れてるなら、無理に来なければよかったじゃない!」
そう言って、今度は彼女が、これ見よがしに彼より大きなため息をつきました。
「なんだよ、せっかく出かけてきたのに。
そっちが呼び出しておいてそんな言い方あるかよ!」
「どうしても来てなんて言ってないでしょ!
友達と出かけた方がよかったわ」
「じゃあ、そうすればいいじゃないか!」
「そうするわよ!」
一方、自分の「行為」と「思考」をコントロールすると次のように変わります。
疲れを隠せずに「ふ~っ」とため息を漏らしました。
そんな彼を見て彼女は、
「疲れているのに呼び出してごめんね。あんまり混んでないところに行こうか」
「大丈夫だよ。ちょっと寝不足だったから。見たい映画、あるんだろ?」
「うん、でも映画館行ったら、あなた寝ちゃいそうじゃない?」
「そうかもな。そしたら後で筋書き教えてくれよ。イビキはかかないようにするからさ(笑)」
本書には、同様の例がいくつもあげられています。ここで、気づいたのはいずれの例も、自分の「行為」と「思考」をコントロールする前に、相手の理解が基本にあることです。相手の状況、立場、状況などをきちんと理解して、はじめて自分のとる「行為」を選択しています。
「思考」をコントロールするとは、相手を理解することとほとんど同じことかもしれません。相手を理解し、相手の立場にたって考えてから、自分のとる「行為」を決めることです。
人によっては、その前に感情が爆発してしまう人がいるかもしれません。「思考」を働かせる前に、「感情」が動いてしまう人です。
これは、訓練により克服できると思います。子供はほとんど、「思考」よりも「感情」が先に動きます。大人になると「感情」よりも先に「思考」を働かせられるようになります。
「感情」がすぐに爆発してしまう人は、「感情」を爆発させる前に、深呼吸をして、相手を理解してから、自分のとる行動を選択することを心がければ、変わっていくと思います。