iPhone 6 / 6 Plusが発表され、購入しようと考えても、どのキャリアを選択するか悩みどころです。SIMロックフリーという選択肢もあります。
iPhone 6 / 6 Plusでは、キャリアアグリゲーションなど、通信機能も強化されています。各キャリアの対応状況とSIMロックフリーと合わせて、選択のための情報を整理します。
最大速度
iPhone 5sは、下り最大100Mbpsの Category3 対応でした。iPhone 6 / 6 Plusは、下り最大150Mbpsの Category4 に対応しました。
発売時点で、Category4 の150Mbpsに対応しているのは、NTTドコモとKDDI(au)です。ソフトバンクは112.5Mbpsまでになります。
対応周波数帯
日本で発売されるiPhone 6 / 6 Plusのサポートしている周波数帯は、下の表の20種類です。
新たにBand41がサポートされたことにより、KDDI(au)傘下UQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」とソフトバンク傘下Wireless City Planning (WCP)の「AXGP」が使えるようになりました。
NTTドコモ | KDDI(au) | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
Band1 (2100MHz) |
○(75Mbps) | ○(150Mbps) | ○(112.5Mbps) |
Band2 (1900MHz) |
- | - | - |
Band3 (1800MHz) |
○(150Mbps) (東名阪) |
- | ○(75Mbps) ワイモバイル |
Band4 (AWS) |
- | - | - |
Band5 (850MHz) |
- | - | - |
Band7 (2600MHz) |
- | - | - |
Band8 (900MHz) |
- | - | ○(75Mbps) |
Band13 (700c MHz) |
- | - | - |
Band17 (700b MHz) |
- | - | - |
Band18 (800MHz) |
- | ○(75Mbps) | - |
Band19 (800MHz) |
○(75Mbps) | - | - |
Band20 (800 DD) |
- | - | - |
Band25 (1900MHz) |
- | - | - |
Band26 (800MHz) |
- | - | - |
Band28 (700 APT MHz) 2015年以降 |
○(75Mbps) | ○(75Mbps) | ○(75Mbps) ワイモバイル |
Band29 (700 de MHz) |
- | - | - |
Band38 (TD 2600) |
- | - | - |
Band39 (TD 1900) |
- | - | - |
Band40 (TD 2300) |
- | - | - |
Band41 (TD 2500) |
- | ○(110Mbps) UQ(WiMAX 2+) |
○(110Mbps) WCP(AXGP) |
周波数帯ごとに電波の特性が異なります。プラチナバンドと言われる700~900MHz帯は広い範囲に伝わります。数字の大きな周波数帯はビル陰などに回り込みにくく、建物の中にも浸透しにくい電波です。
キャリアアグリゲーション
iPhone 6 / 6 Plusでは、キャリアアグリゲーションがサポートされます。
キャリアアグリゲーションとは、複数の周波数帯を同時に使ってデータを伝送する技術です。たとえばBand1とBand18でそれぞれ75Mbpsの帯域しかなくても、両方を束ねることで150Mbpsに引き上げることができます。
この技術は日本ではKDDI(au)が導入済みです。ドコモは2015年春までに、ソフトバンクは2016年3月期に導入する予定です。
SIMロックフリー
iPhone 6 / 6 Plusは、SIMロックフリーも同時に売り出されます。
SIMロックフリーでは、MVNOの安いSIMを使えます。MVNOというのは、NTTドコモとKDDI(au)の回線の二次売りです。
上記で説明した回線の一部だけを使えるものです。そのため、同じパフォーマンスは期待できません。おそらくキャリアアグリゲーションも使えないと思います。
iPhone 6 / 6 Plusは、表で示したように20種類もの帯域をサポートしています。世界のほとんどの地域で、現地のSIMを入れれば使えます。海外に頻繁に行く人には、いいかもしれません。
また、SIMを入れ替えればどのキャリアでも使えるので、中古品でも価格が下がりません。1~2年後に売るときには数万円の差がでると思います。
まとめ
KDDI(au)は、単独の帯域でもキャリアアグリゲーションでも150Mbpsを実現できます。LTEの人口カバー率99%をうたっていることとあわせて、最も優位にあるといえます。
NTTドコモは、単独の帯域で150Mbpsを実現できますが、東京、名古屋、大阪に限られています。
ソフトバンクは、プラチナバンドである900MHz帯LTEが、沖縄県内の一部で7月から提供が始まったばかりです。さらに、単独の帯域では112.5Mbpsまでであり、キャリアアグリゲーションの導入も遅くなる見込みです。そのため、最も不利な立場にあります。
SIMロックフリーは、日本国内でのパフォーマンスよりも海外での利用を重視する人向けです。