Apple Watchが発売されて1ヶ月半が過ぎました。売れた台数は、iPhoneの台数と比較するとわずかと言っていいと思います。
主な機能はiPhoneのイベント通知です。iPhoneがないと時刻表示さえできません。それを知らずにiPhoneを持っていないにもかかわらず買った人もいます。
ところが、スマートウォッチと言えるものは、40年前からカシオが発売していました。
40年前の「スマートウォッチ」に欠けていたもの:日経ビジネスオンライン
電話番号を登録しておき電話番号を選択すると、番号に対応した音が鳴るスマートウォッチがありました。その音をプッシュ式電話の受話器に押し当てて聞かせることにより、自動的に電話をかけるために使いました。
電話番号を覚えておく必要がなくなりますが、使い勝手が悪く、プッシュ式電話でしか使えません。実際に使った人はほとんどいなかったと思います。
文字盤に手書き認識機能を搭載し、電卓としても使えるスマートウォッチもありました。
1990年代には、脈拍や歩数、走行スピード、消費カロリーを計測できるスマートウォッチが登場します。Apple Watchにも搭載されている機能です。
MP3プレーヤーを組み込み、音楽が聞けるスマートウォッチもありました。イヤホンとの間のケーブルの処理が難しかったと思います。
カメラを搭載し、画面で写真を確認できるスマートウォッチもありました。
このように見てみると、腕時計型ウェアラブルデバイスは、技術的に可能になった時点で、そのつどさまざまな製品が発売されています。もっとも売れたかどうかは別の話です。
これらのスマートウォッチが売れなかったのは、当時の技術では、利用者が欲しいと思えるものを提供できなかったからです。決して、商品化の力が弱かったり、マーケティング力が弱かったりしたわけではありません。
Apple Watchもまだ、これらのスマートウォッチと同じ段階にあります。Appleのブランド力をもってしても、まだ一般に売れるだけの商品になっていません。ただ、Appleの盲目的ファンが買うだけです。
腕時計型ウェアラブルデバイスのキーコンテンツのひとつは、身体の計測機能です。現在の技術ではまだ十分な情報を正確に測定できません。せいぜい、加速度計で活動量や睡眠状態を計測するぐらいです。脈拍を計測しても誤差が大きすぎます。
もうひとつは、指示を受け付ける機能です。ディスプレイがコンタクトレンズなどに組み込まれたとき、腕時計型ウェアラブルデバイスから指示ができれば便利です。
この分野では、カシオをはじめとする日本企業にもまだまだ期待できそうです。