小学生は名文をたくさん読み、中学生は表現力を身につける ― 「一生役立つ学ぶ力」で考えたこと

 著者は今年100歳になる国語の教師です。灘校で中勘助の小説『銀の匙』を3年間かけて読み込む授業法を実践しました。「人は何歳でも学び続けることができる」「当たり前のことに疑問をもつ」「たくさんの本を読む、そうすれば人生がより深くなる」これらの著者の言葉の中でも、私の心をとらえたのは次の言葉でした。「書けば書くほど国語の総合力はアップする」

 私の小学校から高校までの授業を振り返ってみると、小学校では作文の授業が時々ありました。中学校では、夏休みの宿題ぐらいでした。高校では、長い文章を書くことはほとんどありませんでした。

 私は、小学校の作文が嫌いでした。テーマが決まっているときは、まだいいのですが、テーマが決まっていないときは何を書いたらいいのかで長時間悩みました。小学校3年の時は、繰り返しの言葉を使って作文を書くというテーマで「いやいや」作文を書くときの気持ちを書いたことがありました。小学生の私には自ら表現したいものがありませんでした。

 はじめて表現したいという気持ちを持ったのは、中学1年の時でした。志賀直哉の短編小説をいくつか読み、自分も志賀直哉のような文章を書きたいと思っていた時に、家で飼っていた手乗り文鳥が死にました。その時の様子を志賀直哉のような文体で書こうとしました。

 自ら表現したいものがない小学生時代は、作文は苦痛以外の何物でもありませんでした。表現したいものができてきた中学生になってはじめて文章を書くことに意味を見出せました。国語教育において、小学校は、古今東西の名文をたくさん読ませて、中学校になってから文章を書く練習を積んだ方が効果的です。

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