教育の機会均等と交通網、通信網の整備

校舎

 私の父は、何時間もかけて歩いて小学校に通ったと聞いています。雪の降った日などはたいへんだったそうです。

 高等小学校を卒業した後、学校の先生や村の偉いさんにだまされて、満州に働きに行ったと言っていました。新天地だと言われて行った満州では、自分たちは侵略者でした。そのことに戦後になって気づいたのだと思います。

 父は、満州で徴兵され、シベリアに抑留され、日本に戻ってきたときには何もなかったと思います。それでも母と知り合い、結婚して、私が生まれました。

 私は、横浜で生まれ育ったため、学校は近くにありました。小学校は歩いて10分、中学校は歩いて30分、高校はバスに乗って1時間、大学はバスと電車を乗り継いで1時間でした。

 私が学生だった頃は、授業料も安く、大学の授業料は18,000円/半年でした。安い授業料のおかげで大学まで行けたと言えます。

 私が卒業した後、授業料はどんどん値上げされました。私が学生だった頃が、日本において最も教育の機会均等が行き渡っていた時期です。

 経済的な面以外に教育の機会均等に影響しそうな要因に、交通網の整備と通信網の整備があります。

 交通網の整備は、父のように小学校に何時間もかけて通う子供をなくすことに多少は役に立ったと思います。しかし、学校そのものの数が増えたことの方が大きいのではないでしょうか。

 私は横浜に住んでいたため東京の大学に通うことができました。交通網の発達した現在でも東京の大学に通えるのは、首都圏に住んでいる人に限られます。仙台、新潟、名古屋などから新幹線を使って通うことは不可能ではないですが、交通費を考えると合理的ではありません。交通網の整備は、教育の機会均等への寄与度は低いと言えます。

 通信技術の発達は、ひとつの学校内では無線LANによりノートパソコンから共用サーバーにアクセスできるなど教育のやり方を変えています。しかし、それだけではありません。

 予備校においては、東京の授業を全国の主要都市でも受けられるようになりました。インターネットでは、世界中の学術論文を読むことができます。発展途上国からでも、インターネットへのアクセス環境とノートパソコンなどの機器があれば、米国の有名大学の講義を視聴することもできます。

 教育の機会均等のためには、第1に経済面、第2に通信面の整備が有効です。交通網の整備は、そもそも移動にお金がかかるため、教育の機会均等にはあまり寄与しないと言えます。

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