教育界と実業界のすれ違い

 日本の教師は、学生時代のアルバイトを除くと、学校以外での仕事の経験を持つ人は、ほとんどいません。逆に、実業界の人で、学校教育に携わった経験を持つ人はごく少数です。そのためか教育界と実業界の人の考え方には違いが目立ちます。

 実業界から学校教育への要望として良く聞かれることは、もっと実務に即したことを学んでほしいということです。

 ビジネスマナーを身につけてから会社に入ることを期待しているようなことをいう人がいます。私が会社に入った時には、服装や身だしなみ、名刺の渡し方、応接室やタクシー内での座席の優先順位、話をするときの手の位置をはじめとする話し方などが、社内研修でありました。業界により異なることもあり、学校で教えるべきこととは思えません。

 経営学やマーケティングさらには会計についての基礎知識を期待している人もいます。しかし、それを専攻する学生以外にも要求することは、無理があります。

 専攻科目の専門知識は、たまたま関連する仕事を割り当てられたとき以外は、あまり役に立ちません。

 すると本当に学生に望むべきなのは、基本的な人間関係を築く能力、思考力や表現力、語学など学校教育でも必要とされている能力になります。

 教育界の人の中には、実業界の利潤追求について違和感がある人がいます。企業は利益を出し、税金を納め、社会に貢献するという論理に対し、建前にしかすぎないと感じるのだと思います。

 教師のなかには、教師の評価について拒否反応を示す人もいます。教育は評価と相容れないと考えているようです。人の評価が非常に困難なものであることは、企業において成果主義がうまくいかないことからも明らかです。人事評価は公平なものではあり得ません。それでも、モチベーション維持のためにも評価は必要だと考えられており、教育界と実業界の意識のギャップの最も大きな点なのかもしれません。

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