守るべきものと捨てるべきもの

湯島天神

 最高裁が婚外子相続差別は違憲との判断を示しました。父母が婚姻関係になかったという、子供に責任のない理由により差別されることは許されないという至極もっともな理由からです。

 今まで明治時代の民法の規定が生きていたのは、婚外子を平等に扱うことは、日本古来の家制度を破壊するものだという主張があったためです。家制度がいつからあったかは置いておき、何を守り、何を破壊すべきかという観点から考えてみたいと思います。

 明治維新の時、幕藩体制を守ろうとする人と破壊しようとする人が争いました。私は見ていませんが現在のNHK大河ドラマがちょうどその時代を扱っているようです。

 幕藩体制を守ろうとした人も破壊しようとした人も、自らの意志で日本のあるべき体制のために戦った人ばかりではありません。利害関係あるいは所属する組織の方針から戦いに参加した人もいます。中には藩の方針に従い「ならぬことはならぬものです」と、思考停止状態で、幕藩体制を守ろうと戦った人もいたのかもしれません。

 現在、自らの意志で政治体制を選ぶとすると、あなたはどんな政治体制を選ぶでしょうか。徳川幕藩体制を復活させようと考える人はいないと思います。歴史の進歩が徳川幕府による世襲政治よりも、普通選挙制度による議会制民主主義を選ぶ人を増やしています。

 すると歴史の進歩とは何かを考えることが重要になります。価値観は宗教や文化により異なり、時と共に変化します。それでも人類に普遍的な進歩の方向があります。それが、本人に責任のないことで差別されないということです。

 以前、『人類にとってなくすことが最も難しい差別は何か』という記事を書きました。差別をなくすことは困難ですが、できるところからなくさなければなりません。明治時代に制定された民法をはじめとする関連法規は改正されなければなりません。長男が家長を継いでいく家制度など存続させる必要はありません。

 古くから続いている日本の伝統的制度だからといって残す理由になりません。平等な社会の実現のために、その制度が有用であれば残す価値がありますが、差別を含む制度は廃止しなければなりません。残すものは人類の進歩に役に立つもの、捨てるものは人類の進歩を阻害するものです。

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