「自分の強みを活かそう|『さあ、才能に目覚めよう』」のエントリで、得意なことを伸ばし、苦手を克服しようなどとは思わないことと書きました。
ストレングス・ファインダーの34の資質は、分野を問わず傑出した才能を持つ人々から、その資質を選び出したものです。つまり、上位にくる資質は、その人が得意とする資質であり、下位にくる資質は、その人が苦手とする資質です。
『さあ、才能に目覚めよう』では、この得意な上位の資質を伸ばすことに注力すべきで、苦手な下位の資質に多くの時間を割くべきではないと教えています。
それでも得意なことを伸ばすことより、苦手を克服することに重点を置いてしまいがちです。なぜ、得意なことを伸ばすよりも、苦手を克服することに力を入れたくなるのか考えました。
その結果、原因は学生時代にあることに気がつきました。
得意なことを伸ばすことより、苦手を克服することに重点を置いてしまう原因としては、スポーツの影響があります。
スポーツでは苦手な部分があると、相手から集中的にそこを攻撃されます。
例えば、野球でバッターが内角高めを苦手としていると、ピッチャーはそこを狙います。テニスでバックハンドを苦手とすると、相手はそこを狙います。スポーツでは、苦手な部分をなくすことが、勝利への近道です。
学校の成績も苦手を克服した方が有利な時があります。
大学入試で高校の成績により足切りを行う大学がありました。5段階評価で、4を5にするよりは、3を4にする方が簡単です。
足切りとならないようにするために、評価が3の科目が2科目あった場合、それを勉強して両方4にすることに時間をさいたほうが、たいして勉強しなくても4をとれる1科目を勉強して5にするよりも総合成績は良くなります。
このように、スポーツや学校の成績では、苦手を克服したほうが、有利な場合がありますが、ストレングス・ファインダーの資質は違います。
苦手な資質はそのままにして、得意とする資質を伸ばすべきです。
スポーツや学校の成績との違いは、実生活では助けてくれる人がいることです。苦手なことは、他人に頼むことができます。
スポーツや学校の成績ではこれができません。スポーツや学校の成績は、人工的に作られた評価であり、実生活とは異なることをきちんと認識しなければいけません。