定期検診で健康管理に努めた人を対象に、医療保険の自己負担を3割から2割に引き下げる施策が提言されました。
健康ゴールド免許・勤労者皆保険… 小泉進次郎氏ら提言:朝日新聞デジタル
これの一番の問題点は健康管理に努めた人をどのように判断するかです。
もともと健康な人は、特に若ければ、何もしなくても健康なままです。
病弱な人は、健康管理に努めたとしても、あまり変わらないこともあります。そのため、「健康ゴールド免許」に反発する人もいます。
結果だけに着目すると、健康な人は医者にかかりませんから、自己負担額が3割から2割になったとしても何も変わりません。
病気になったとたんに、健康管理に努めていなかったとして、3割になったのでは意味がありません。
定期検診の結果が良くなったら、例えば次の定期検診までの1年間は、3割から2割に引き下げるということでしょうか?
この場合、定期検診の結果が悪くなった人だけが対象になります。ほとんどの人は、指摘されたことを守り、健康を回復しようとします。一部の人は、それでも不摂生を続けます。
このときの健康を回復しようとするモチベーションが、自己負担額が2割に引き下げられることで上がるでしょうか。上がるとは思えません。
健康を回復しようとするモチベーションの方が高く、自己負担が下がることなど関係ありません。
健康を回復する気のない人にとっても同じです。健康のために酒をやめることなどできないと考える人が、医療保険の自己負担が下がるからと酒をやめるはずがありません。
定期検診の結果がいい人のモチベーションも同様です。特に何もしなくても結果がいい人は、自己負担が減ると言われても何もしません。
健康に留意して結果がいい人は、そのまま続けます。
財政健全化が目的のようですが、その目的のためにはほとんど役に立たちません。
国民の健康の向上に役に立つということもありません。
「健康になろう」と思うこと自体がストレスになる人もいるそうです。
「健康になろう」と思うこと自体が既にストレス:日経ビジネスオンライン
自己流の誤ったトレーニングや運動のやりすぎが主な原因のようです。健康のためにランニングを始めながら、フルマラソンを目指すという人など典型的な例です。
その他にも心理的なストレスで体調を崩すこともあるようです。
「ジムにきちんと通わなければならない」「栄養バランスをとり、きちんと食べなければならない」などと考えることがストレスになるそうです。
こうなると、健康管理は本当に難しくなります。
人間の体は複雑ですから、思わぬところが互いに関係していることはあると思います。
特定の部分だけ気をつけても、他の部分が傷ついたり、なまったりします。
健康の基本は、食事と睡眠と運動です。正しい知識を身につけ、ストレスにならないように、気をつけるしかないのでしょう。
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