デザインの基本を知ろうと思い、『デザイン入門教室 [特別講義] 確かな力を身に付けられる ~学び、考え、作る授業~ (Design &IDEA)』を読みました。私の学んだことを備忘録代わりにメモしておきます。
レイアウト
レイアウトの基本は、図版や文字などの要素をきちんと揃えることです。人間の目は敏感なため、ほんの少しずれているだけでも、違和感を感じます。
中央揃えは、基準線が分かりにくく難しいものです。安易に使うものではありません。
揃えるために、版面とマージンを設定し、グリッドを使います。
版面とは、文字情報や写真、図版などを配置できる領域です。これらの要素を配置してはならない領域がマージンです。一般に印刷物では、紙の端から5mm~10mm程度のマージンがあります。
グリッドとは、紙面の縦横に等間隔で配置される格子状のガイドです。グリッドに沿って各要素を配置することにより、まとまりのある整然としたレイアウトを作れます。
ある要素と別の要素を対比させるために、コントラストをつけます。コントラストをつけるときは、明確に差が分かるようにします。中途半端では意味がありません。
写真と画像
写真はデザインの内容や目的に合ったトリミングが重要です。トリミングにより空間に意味を持たせることもできます。
配色
色には、イメージを膨らませたり、感情を引き起こしたりする効果があります。
同じ色であっても、組み合わせる他の色により、イメージが強くなったり、弱くなったりします。
文字と書体
和文の明朝体や欧文のセリフ体は、線に飾りがあり、横線よりも縦線の方が太い書体です。線幅が太い書体は「権威的」「歴史的」「男性的」「大人」などの印象を与えます。細くなるにしたがって「柔軟」「モダン」「中性的」「品格」といった印象を与えます。
和文のゴシック体や欧文のサンセリフ体は、縦横の線の太さが均一な書体です。線幅が太い書体は「力強い」「元気な」「男性的」「厳格」「安定感」などの印象をあたえます。細くなるにしたがって「明るい」「繊細」「女性的」「都会的」といった印象を与えます。
書体は2~3種類に厳選し、協調と調和のバランスが大切です。
和文書体にも欧文文字は登録されていますが、、欧文を使うときは欧文書体を使用します。欧文書体は数字やアルファベットの並びが美しくなるように字間が設定されています。
なお、タイトルなどの目立つ部分は、文字の間隔を個別に調整します。
文章のデザイン
本文は読みやすさを第一に考えます。そのために、クセのある書体は使うべきではありません。
文字の大きさや行送り、行の長さも読みやすさから決めます。
見出しは適度に目立たせます。
日本語と英数字が混在している文章では、次のポイントに注意します。
和文書体に合う欧文書体を選ぶ
明朝体とはセリフ体、ゴシック体とはサンセリフ体を合わせます。また、線の太さやセリフの雰囲気が似たものを選びます。
欧文書体の文字の大きさを調整する
同じ文字サイズでは、和文書体よりも欧文書体の方が小さくなります。そのため、欧文書体を110%程度拡大します。
ベースラインを揃える
欧文書体は和文書体よりも若干上の方にあります。そのため、2%程下げてベースラインを揃えます。
インフォグラフィック
インフォグラフィックとは、文章だけでは理解しづらい内容や、複雑な数値データを図式化したものです。
図式化することにより、読み手の視覚に直接訴え、情報を的確に伝えられます。
実践演習
最後の章は具体例を使った実践演習です。個別の基本ルールを適用することにより、ダサいデザインが、カッコいいデザインに変わるところを目の当たりにできます。
なお、この本は図や写真の多い大型本です。Kindleもありますが、Kindleはおすすめではありません。理由は以前ブログ記事に書いています。
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